4月になりました。この原稿を目にされている頃には、桜はもう散っているかもしれません。今年の桜は、例年より早く咲きましたが、気温が低めで雨も多くて、花見のタイミングに皆さま苦労されたのではないかと思います。
さて、今月は、花見ではなく、マイナス金利導入の話です。経済指標の中でも、金利はとても大切なものですが、これをどのように捉えれば良いのか、ずっと考えていました。そこで、普通のプラス(?)金利について、まず考えてみます。
これから1年間かけて100万円を支出できる人が不動産の購入を考えているとします。一度に100万円出せないのでお金を借りるとして、1年間の金利が10%だとすると、いくらの物件が買えるでしょうか。計算式は下記のようになります。
100万円÷(1+10%)=909,090円
では、金利が1%だとどうなるでしょうか。計算式は下記です。
100万円÷(1+1%)=990,099円
金利が高いと、金利負担をする分、投資する金額は減ってしまいますが、金利が低いと、その金利が少なくて済むので、より高額なものを買うことができます。見方を変えると、金利が高いと商品価値は下がり、金利が低いと上がります。
では、マイナス金利だとどうなるのか?仮にマイナス1%だとこうなります。
100万円÷(1-1%)=1,010,101円
1%の金利を逆にもらえることになりますから、その分高い買い物ができます。
これで言えることは、金利は低ければ低いほど、消費(投資)意欲は高まります。つまり、今回のマイナス金利が意図するものは、景気を刺激したいという意思表示だと言うことです(究極の金融緩和です)。逆に、25年前の日本のバブルのようなときは、金利を上げて、それを冷ます金融政策が採られました。
しかし、日本の土地価格は、一部で上昇しているものの、下落している地域が大半です。これは金利だけでは説明できません。その要因には、国内の賃金が上昇していないこと、少子高齢化で需要がないこと等が上げられます。つまり、買う人がいなければ、ものの価値は下がると言うことです。多少金利を操作しても、反応できない難しい問題があると言うことです。