F&Aレポート

「七五三現象」と「コミュニケーション」

「七五三現象」と「コミュニケーション」

 高校の「キャリア形成」講座で、早期離職と学歴に関わる「七五三現象」について話をしました。「七五三現象」とは、就職して3年以内に中卒新入社員の7割、高卒新入社員の5割、大卒新入社員の3割が離職する現象を指しています。早期離職は、その後非正規雇用になったり収入が落ちたりとキャリア形成に悪影響をもたらすことが多いため、社会的に問題視されています。

 2020年厚生労働省のデータによると、離職率は中卒55%、高卒36.9%、大卒31.2%となっており、中卒、高卒の離職率は改善されているものの、大卒の3年以内離職率はあまり変わっていません。

 その離職の原因は「仕事が合わない」または、「人間関係」と言われています。いずれも「思っていたのと違う」ということのようですが、「仕事が合わない」と「人間関係」には相関関係があると私は推測しています。

 人間関係がうまくいっていないと、仕事を覚えることも、仕事をスムーズに進めることも難しくなるでしょう。上司や先輩、同僚と信頼関係のないところで良い仕事は生まれません。効率アップや生産性向上も期待できないでしょう。

 逆に人間関係が良いと、困難が生じても相談や協力がしやすくなり、チームとして難局を乗り越えることもできそうです。そこに達成感が生まれることもあるでしょう。そんな職場であれば「仕事が合わない」と感じたとしても、安易に離職することも少なくなるのではなかろうかと思うのです。

 では、「職場の人間関係を良好にするには?」と、前出の高校で質問すると、一人の男子生徒が、「仕事で必要なこと以外は一切しゃべらないこと」と答えました。余計な雑談をすると、好き嫌いが生まれて人間関係がややこしくなるというのです。

 賛否はともかく、日々のコミュニケーションのあり方が、キャリア形成に影響すると考えられます。

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