F&Aレポート

「光の春」から「音の春」、「気温の春」へ

「光の春」から「音の春」、「気温の春」へ

 二十四節気(にじゅうしせっき)でいえば、2月4日の立春から、5月5日頃の立夏までが春ということになり、この3ヶ月の間に春は3段階で進むと言われています。

「光の春」→「音の春」→「気温の春」です。

「光の春」は、気温はまだ低いものの昼間の時間が長くなってきて、明るい日差しが感じられるようになる時期のことをいいます。動物や植物の中には気温の上昇よりも、光に反応して冬眠から目覚めるものもたくさんあるでそうです。

 「光の春」の語源はロシアとも言われています。高緯度地域の冬は陰鬱で長く続くため、気温はまだ低くくても太陽の明るさで人々は春を感じるのだそうです。

 次に「音の春」とは、雪解けの音、雪解け水で増水した川の音、鳥のさえずり、雪で閉ざされていた家から出ておしゃべりをする人の声など、春の到来を感じさせる「音」のことをいいます。雪の多い地方の春の喜びが感じられる言葉です。

 そして「気温の春」へと移行します。春分を過ぎる頃、最高気温が15℃を超えるようになり、ソメイヨシノが咲くようになります。

 「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、春分の頃には寒さもかなり緩み、気温はぐんぐんと上昇するようになります、

 約3ヶ月の春ですが、自然のうつろいに合わせて春を段階的に見つめる眼差しが、なんとも暖かい!そして「春」を待ちわびる古の人たちの感性を感じないではいられません。

 現代では「音の春」は「花粉症の春」と言いたい人もいるかもしれませんが。寒さの中に潜む「春」を見つけてみてはいかがでしょうか。また、貴方なりの「○○の春」があっても良いと思います。季節を楽しむのは暮らしの楽しみにつながるような気がします。