F&Aレポート

オリンピックがもたらすもの 1~「冷凍食品」「家電」そして、東京2020のレガシーは?

オリンピックがもたらすもの 1~「冷凍食品」「家電」そして、東京2020のレガシーは?

「東京2020オリンピックまであと3日」と、言ってもどこか虚しく盛り上がりに大いにかけた
オリンピックとなってしまった感は否めません。しかし、世界を舞台に繰り広げられるこのスポーツの祭典は、必ずその後の世界にもたらすものがあります。たとえば、1964年に開催された東京オリンピックが日本にもたらしたものは「冷凍食品」と「家電」と、言われています。この「家電」といえば、「三種の神器」としても知られる「白黒テレビ」「電気洗濯機」「電気冷蔵庫」でした。これらはいずれも、日本の戦後復興、経済成長、豊かな暮らしを象徴するものとなりました。では、「冷凍食品」についてはどんな背景があったのでしょうか。ネット記事から割愛してご紹介しながら、このたびの東京2020オリンピックがもたらすものについても触れてみたいと思います。https://2020.yahoo.co.jp/column/detail/201712110005-spnavi

1、日本の食文化繁栄を築いた1964年東京大会 選手村食堂の挑戦

 1964年の東京オリンピックの舞台で活躍したのは、競技に出場する選手だけではありません。その裏で、93の国と地域からやってきたおよそ7000人の選手とコーチなど関係者への食事を提供するために、全国から集まった300人の料理人たちが日々奮闘を重ねていたのです。選手村に作られた食堂は3つ。そのうちのひとつで、日本、アジア、中東の選手団向けに用意された富士食堂の料理長として腕を振るったのは、のちに帝国ホテル総料理長となった村上信夫さん。村上さんから聞いたという当時のお話は次の通り。