「健康経営」行動変容を促す職場の環境づくり~あなたの組織に姿見はありますか?
●先日、「健康経営」講座を開催しました。各社、人事や総務担当者が参加されていましたが、いずれの会社も健康経営の取り組みついては、優良法人として認められているものの、社員が主体的に取り組む姿勢は見られず形骸化している感あり、、、といった課題がありました。
●そもそも「健康経営」の取り組みも、その価値も社内に浸透していない。「担当部署が上から言われて仕方なくやっているだけでしょ」という見方になっている。担当者も「なにかやろうと提案しても、どうせ反対される」「全社で取り組むには、さまざまな部署の許可を得ないといけないので煩わしい」というような現場の声も聞こえました。
●「健康経営」は、従業員の「健康」=「幸福」に関わる重要な取り組みであることだけでなく、企業イメージの向上。リクルートにも影響し、さらに生産性向上にも貢献する有効な手段にも関わらず、残念なことになっている企業が数多あるというのが現実のようです。
●「健康経営」は意識づけから。できることから、できる範囲から広げていきましょう。
1、廊下の壁やプリンター脇に姿見を設置
よく使う場所、毎日通る壁面に姿見を設置して、できれば姿見の前に足型のシールを貼るなどして、一瞬でも鏡に向き合い正視すること促します。こうすることで、頭からつま先までの自分の姿を見ることになります。仕事中の顔色やふとした表情を客観的に見ることによって、自分自身の健康状態や感情に気づくこともあるでしょう。もちろん、服装、髪型といった身だしなみのチェックにも一役買います。さらに、姿勢はどうか、疲れて見えないか、太って(痩せて)いないかなど、自分のコンディションにも気づくことも。
また、打ち合わせや、客先に出かける前に全身をチェックすることもできます。顔だけでなく全身を映す鏡を設置して、そこで立ち止まるように工夫してみてください。
2、休憩所や壁に「ランドルト環」を
デスクワークは、スマホやパソコン操作・資料チェックといった細かい文字・数字を見ることが多く、私たちの目は常に刺激を受け酷使されています。
こうした慢性的な眼精疲労は、肩こりや頭痛、腰痛といった不調を起こしやすくなるだけでなく、創?力・集中力を削ぎ効率を低下させます。いわゆる、プレゼンティーズム(出社はしているものの業務効果が落ちている状態)を引き起こす要因となります。
ある企業では、休憩所に観葉植物を置いたり「ランドルト環」(視力検査のときのC)の図を貼り付けたりして、各自が目の疲れや視力を意識するような取り組みがなされています。観葉植物は?花などの人口的に作られたものでも可能ですし、卓上に置く小ぶりなものでも大丈夫。目と心が休まる明るい雰囲気づくりを工夫してみましょう。
3、電力使わず、カロリー燃やそう、階段を使おう!
ニューヨーク市の保健衛生局には、簡単なポスター表示を行うことで、エレベーターやエスカレレーターを使わずに、階段を使う人を増やすことができたという調査結果があるそうです。そのポスター表示は階段を上る人のアイコンと「電気を使わず、カロリーを燃やそう、階段を使おう(Burn Calories,Not Electricity)」という文字が書かれたシンプルなものです。そのポスターには次のような注意書きも加えてあるといいます。
・エレベーターの代わりに階段を使うことで、身体活動量は7倍に上昇する
・毎日たった2分間を階段上りに費やすだけで体脂肪を燃焼し、約0.5k(1ポンド)の体重増加を防ぐことができる
・1日3分分の階段を上ることを1週間続けると、全死因による脳卒中の死亡リスクを20%下げることができる
・1日24時間、週に7日間稼働しているエスカレーターが消費するエネルギーは約2万8000kw。これは二酸化炭素の量に換算すると2万kgで、1台の乗用車の排出量の約3倍相当する
ちなみに体重60kgの人が5分間、階段を上ると消費カロリーは21kcal、?く上る46kcal、下ると18kcalを消費するという計算式もあります。アイデアと習慣化で楽しく行動変容を促してみましょう。