F&Aレポート

健康経営~職場における人間関係開発、職場環境改善

健康経営~職場における人間関係開発、職場環境改善

 近年、よく耳にするようになった「健康経営」。従業員の健康が大切であるといった視点だけではなく、企業利益にもつながる点に注目されています。

 経済産業省の推進する施策がどのようなものなのか、どのような効果があるのかご紹介します。(JAICO 一般社団法人日本産業カウンセラー協会 参考資料)

1、社会や投資家から評価される健康経営

 健康経営は、「従業員などの健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と定義されています。わかりやすく言えば、健康経営とは従業員がイキイキと働くことで生産性の向上や組織の活性化を促し、企業の継続的な成長の実現を目指す経営手法です。また業績や株価向上を期待できる取り組みでもあります。実際、健康経営への取り組みは、企業利益につながることが各種のデータで明らかになっています。

「平成30年度健康経営度調査」を基にした研究では、健康経営導入前と後の5年では利益率が高くなること、株価にプラスに働くことなどがわかっています。また健康経営の取り組みをしている企業は離職率が低いことも判明しています。さらに近年、出勤していても十分にパフォーマンスが上がらない「プレゼンティズム」や体調不良により会社を休む「アブセンティズム」と労働生産性の問題がメディアに取り上げられる機会が増えています。従業員の健康が企業の業績に影響することが広がりつつあるのでしょう。

2、健康経営の評価基準

 健康経営の旗振り役である経済産業省は、健康経営を推進するために大規模法人部門と中小規模法人部門に分けて健康経営優良法人を認定する仕組みをつくりました。また健康経営優良法人(大規模法人部門)に認定された上位500法人を「ホワイト500」としても認定。さらに東京証券取引所の上場企業の中から「健康経営銘柄」を発表しています。

 つまり経済産業省は、社会からも投資家からも健康経営に取り組む法人が評価される仕組みをつくったのです。しかも法人の認定は経済産業省が公表する評価基準によって毎年実施され、継続的な努力が必要になっているのです。

 具体的な基準を「2020年度認定基準」から抜粋します。