2023年「健康元年」ヘルスリテラシーの向上「栄養」「健康」知識を高めて楽々ダイエット~体脂肪編
1、体脂肪はどうやって増えるのか、、、の前に、基礎代謝とは
骨格筋 22%
肝臓 21%
脳 20%
心臓 9%
腎臓 8%
脂肪 4%
その他 16%
基礎代謝とは、何もしないでじっと座っていたり、寝転んでいる状態で、生きていくためだけに必要最小限のエネルギー量のことをいいます。じっとしている時のエネルギーの消費内訳は右表の通りです。
筋肉22%、肝臓21%、脳20%がエネルギーの約6割を消費していることになります。
活動すれば、特に筋肉でのエネルギー消費量が激増します。さらに、骨格筋量を増やすことができるため、骨格筋でのエネルギー消費が増え、基礎代謝を増加することができます。
一方、体脂肪は増えてもエネルギー消費量がわずかで、運動しても脂肪自身はエネルギーを使いません。したがって、体重を見るときには体脂肪率を確認し、体脂肪を減量することを目標にします。
骨格筋は、運動のみのエネルギー消費だけでなく、運動後も興奮状態で新陳代謝を繰り返しており基礎代謝が上昇しています。(運動の慢性効果)
運動の慢性効果は運動後48時間かけて元の状態に戻っていきます。(運動強度や時間によって変化あり)したがって、運動により筋肉を使うことや筋肉を増やすことで、運動時消費エネルギーや運動後消費エネルギーが増加して体脂肪が減りやすくなります。
2、体脂肪増加の無限ループ
筋肉や内臓に入りきらなかった糖質や脂質は、ずべて余すことなく脂肪細胞の中に入って体脂肪として貯蓄されます。脂肪細胞は体脂肪を貯蓄する風船のようなものです。
体脂肪が増えれば、どんどん膨らんでいきます。しかし容量は決まっているので、入りきらなくなったら、新たな脂肪細胞が生まれます。そして、その中にまた過剰な糖質や脂質が入り膨らんでいきます。食べれば食べるほど脂肪細胞の肥大と新生が繰り返されます。
しかし、新生できる数には個人差があり、限界に達すると、糖質や脂質が脂肪細胞に入りきらず血液中に溢れます。これが高血糖(糖尿病)であり脂質異常症です。
外食や揚げ物、ファストフードなど高脂肪の食事が続くと、脂肪細胞の風船が膨らみ、さらに風船が増えてしまうと体重がどんどん増えるので注意が必要です。
ダイエットでは脂肪細胞の風船を空っぽにする必要があるため、糖質や脂質の食べ過ぎを控えるか、運動によって消費量を増やすしか方法はありません。
3、危険信号が効かなくなる!
脂肪細胞は脂肪を取り込んで膨らんでいくと食欲を抑える働きを持つレプチンというホルモンを出し始めます。つまり脂肪細胞は適量の脂肪を取り込んだら「もう食べなくていいよ」と脳に指令を送ってくれるのです。
それでも食べすぎて脂肪細胞が過剰に肥大すると、レプチンは脳で効かなくなり、満腹を感じなくなっていきます。(レプチン抵抗性)そのため肥大した脂肪細胞が増えると食欲が抑えられなくなって過食してしまいます。
肥大化した脂肪細胞は周囲に炎症を引き起こします。肥満ではこの脂肪細胞周囲の炎症によりインスリン感受性が弱まり、過剰の糖質や中性脂肪を取り込むことができなくなって、糖尿病や脂質異常症が発症してしまいます。
さらに、脂肪細胞は周囲の炎症によって脂肪細胞内に蓄えた脂肪の分解が起こりにくくなり脂肪細胞がなかなか小さくなりません。
つまり、太れば太るほど食欲は抑えられなくなり、脂肪細胞も小さくなりにくくなってしまうため、ダイエットは早めに開始する方が楽なのです。