すっきりシャープに、贅肉のない言葉づかい(1)
「余計な言葉をそぎ落として、シャープに表現する」とは、わかりやすく表現するということです。式典や宴会での挨拶やスピーチ、会議での発表・プレゼン、上司への報告など、いずれも相手の時間に割り込んで自分の話を「聞かせる」にも関わらず、まどろっこしい説明になってしまうのは、時間どろぼうと言われても仕方がないことです。
例えば細かいことですが、「今回の作業に関しましては、今週中に終わらせる予定でおりまして」というような説明は、「今回の作業は、今週中に終わらせる予定です」の方が、断然すっきりするのに、なぜかこういう言い回しが多いのです。あらたまった言い方をしたり、必要以上に丁寧に表現しようとすると、逆に伝わりにくい話になることがあります。要注意の言葉づかいを挙げてみました。
1、「が」「て」「で」「ですけど」で言葉をつなぐ
<悪い例>
先日の研修では、挨拶や電話応対など学習して、大変勉強になったのですが、名刺交換の作法がわかりやすくて、勉強になったんですけど、で、一番印象に残ったのは、敬語の使い方のところで、自分が間違った言葉を使っているのがわかりました。
<良い例>
先日の研修では、挨拶や電話応対など学習しました。(中でも)名刺交換の作法は、わかりやすくて勉強になりました。一番印象に残ったのは、敬語の使い方です。自分が間違った言葉を使っているのがわかりました。
2、主語と述語の乖離
文章を読んでいて「?」と違和感があるのは、これが原因のことが多い
<悪い例>
(1)私の日課は、朝6時から1時間ほど、公園を散歩しています。
(2)ビタミンCが多い食品は、オレンジやレモンなどの柑橘類、野菜ではキャベツやじゃがいもに多く含まれています。
<良い例>
(1)私の日課は、朝6時から1時間ほど、公園を散歩することです。
(2)ビタミンCが多い食品は、オレンジやレモンなどの柑橘類です。野菜ではキャベツやじゃがいもに、(ビタミンCが)多く含まれています。
* 一文が長くなると、主語と述語が離れるためこのような傾向が多くみられます。
3、伝えたい事柄(一文)から述べる
「何を最も伝えたいのか」「結論」から述べる
<悪い例>
最近は、主な公購買層であるシニアの売れ筋商品を無視して売り場のリニューアルを行ってしまったところ、「売り場のリニューアルをしてから売り上げが激減した」というご相談を多くいただきます。
<良い例>
最近では、「売り場のリニューアルをしてから売り上げが激減した」というご相談を多くいただきます。(これは)主な公購買層であるシニアの売れ筋商品を無視して売り場のリニューアルを行ってしまったためです。
*「言葉づかい」は、書き言葉(文書作成)にも話し言葉(人前での話し方)にも通じます。録音するなどして、自分の癖を見直してみましょう。