「マスクを突き抜ける笑顔」
今やマスクを着けることに違和感はなくなりましたが、相変わらず表情を読み取ることが難しいのを、もどかしく感じることがあります。
先日、あるアーティストのライブに行ったときに「マスクを突き抜ける笑顔」という言葉を聞きました。Withコロナのライブですので、マスク着用、声出し禁止は当たり前。そのライブも例外ではありません。コロナ前に開催されたのが最後で、約2年半ぶりの開催でしたが、以前のような声と汗の熱気に包まれる会場とは違っていました。
みんなマスク(それも不織布で徹底されていました)着用で、立ち上がって拍手を送ったとしても声援は送らず、しっかりマナーが守られていました。そんな中で、ステージに立つアーティストが言ったのです。「みんなの『マスクを突き抜ける笑顔』が素晴らしい!」と。
ライブに来ているファンの笑顔が、マスクを突き抜けて伝わってくる。エネルギーが伝わってくる!という意味でした。
全国から集まっているファンは、声を出せないぶんだけ余計に気持ちが高まって、精一杯ハートで受け止め、ハートで声援を送ったということなのでしょう。その思いが『マスクを突き抜ける笑顔』になったのでしょう。
ライブという特別な場所だからこその「笑顔」「興奮」「一体感」なのかもしれませんが、それでもマスク越しで伝わるものは十分あるのだと思いました。
まだもう少しの間、マスク生活が続きそうな気配です。「マスクをしているから笑顔が伝わらない」という言い訳はやめて、「マスクを突き抜ける笑顔」で過ごしていれば、きっといいことがあるんじゃないかな?高揚感を抱えたまま、ライブを終えて帰る道すがら、そんなことを考えました。