「心理的安全性」~安心して挑戦できる職場をつくろう
考えたことを忖度なく言い合える職場、上司と反対の意見を出しても前向きに受け入れてくれるチーム。このような「場」を企業や組織で実現するために、近年注目されているのが「心理的安全性」という考え方であることは、以前レポートでもご紹介しました。
日本の企業の会議では今でも「自分の意見は抑え、全体の流れに従う」といった場面が多くあるようです。「チームの和を乱しそうだから」「ウザいと思われたくないから」と
いった理由で意見を飲み込むのが「空気を読む」といった言葉で表現されます。日本人らしい集団心理であり、合意形成の方法ともいえるでしょう。職場の「心理的安全性」を高めるために私たちは何ができるのか、今一度考えてみましょう。(産業カウンセリング)
1、4人に1人が離職を考える時代
全国の上場企業に勤務する20代~50代の従業員を対象とした「仕事と心理的安全性」に関する意識調査(2021年実施)では、コロナ禍の現在、約4人に1人に離職意向があり、彼らは心理的安全性が低いという結果が示されています。そして、離職意向がある人は、その企業で働き続けたい人よりも「助け合い因子」と呼ばれる数値が低いという結果も出ています。職場でトラブルや負荷がかかる状況になったときに、相談して協力しあえる「助け合いのある組織」であることが、離職の軽減につながっているということになります。
2、「心理的安全性」が注目される3つの背景
心理的安全性が注目される背景として次の3つを確認しておきましょう。