F&Aレポート

Dr.ナグモの7日間若返りダイエット「歩き方」「座り方」編

Dr.ナグモの7日間若返りダイエット「歩き方」「座り方」編

■ スマートでイケメン、見た目は30代のDr.ナグモ。実は56歳。でも、以前は老け顔で典型的なメタボ体型だった。お腹の周りには脂肪がたっぷりつき、今より15kgも太っていた……ところが、”あること”を実践して体重が激減。その後、約20年にわたり、62kgの適正体重をキープ。見た目が若いだけでなく、病気予防や脳活性にも効果がある、その”あること”とは?
■ 「食べたいものを我慢しない」「激しい運動はしない」「納得の理論の裏付け」「すぐに結果が出る」。人生も仕事も恋も充実させるダイエットは、一生現役を願う人には一見の価値がある。今回はすぐ実行できる「歩き方」「座り方」の一部をご紹介したい。(医学博士 南雲吉則(なぐもよしのり)著 Dr.ナグモの7日間若返りダイエット 20歳若返り、15kg痩せる

1、たった5分で1万歩分の効果を上げる歩き方
「健康のために1万歩歩きなさい」とよく耳にしますが、歩数より大事にしたいのは「歩き方」です。歩く時間をわざわざつくらなくても、正しい姿勢で歩くとわずか5分でも1万歩に匹敵する効果が得られます。
 そのコツは、スターのようにかっこよく歩くことです。まずは、息を深く吸って思い切り胸を張ります。そして、思い切りお腹を引っ込めて歩きます。
 通常の呼吸では、胸をふくらませたり、しぼませたりします。これを「胸式呼吸」といいます。しかし、ナグモ式呼吸法は胸を張ったままするので、息を吐くには意識的にお腹を凹ませなければなりません。このように「腹式呼吸」を強制的に行わないと、ナグモ式呼吸法はできないのです。
 無意識のうちに、胸の肋骨にある筋肉や横隔膜をかなり使うので、5分間程度呼吸しただけで翌日は腹筋が痛くなります。慣れると、座っているときも人と話しているときもできるようになります。
 このようなカラダの深いところにある筋肉を「インナーマッスル」といいますが、インナーマッスルは内蔵脂肪を燃やしやすいという性質もあります。食事制限だけで痩せようとすると、お腹のインナーマッスルが衰えて、樽のタガが外れたようにお腹が緩んで貧相になってしまいます。ところが、歩きながら腹式呼吸でお腹のインナーマッスルを鍛えてやると、お腹が引き締まって痩せても貧相には見えません。
 次に歩くフォームです。両手は軽く握り、肘は軽く曲げ、意図的に両腕をかなり速く振ります。こうすると、それにつられて速足になります。このとき、歩幅を最大に広げて颯爽と歩きます。歩幅を最大に広げると、両足の付け根にあたる股関節の可動域が広くなってストレッチになります。
 膝を伸ばして、着地はかかとから。昔ながらの古武道の歩き方を取り入れて、地べたにしっかり足の裏をつけ、地面に引き寄せるイメージで歩きます。そうすると、お尻や太ももの後ろ側の大きな筋肉を使えるようになります。このような姿勢を保って歩くと、たった5分間歩くだけでも、運動強度を高めて内蔵脂肪を減らすことができます。

2、歩くときは鼻ではなく口で呼吸
 口と鼻の違いわかりますか?口は食べ物を摂り入れるための器官ですが、鼻は異物を排除するための器官です。コショウを舐めてもなんともありませんが、コショウを鼻から吸い込むと、とたんにくしゃみと鼻水が出てきます。同じように、花粉が鼻から入るとアレルギーを起こします。花粉を排除しようとするからです。
 しかし、花粉を口から入れて徐々にカラダを慣らしていくと、アレルギーが治ります。この現象を利用したのが、「減感作療法」というものです。花粉の濃縮液にひたした食パンの切れ端を舌の裏に入れる療法です。これを応用して私が編み出したのが、「口呼吸法」です。歩くときはニッコリ笑って口呼吸をします。
 呼吸をするときは、吸う時も吐く時も口から。歯を閉じてその間からシーハー、シーハーと音を立てて呼吸をします。これによって、花粉などのアレルゲンを積極的に口から摂りこんで、減感作していきます。私自身ひどい花粉症だったのですが、2年前にこの口呼吸法を始めてからは、花粉症に悩まされることがなくなりました。

3、オフィスでの座り方にも注意
 オフィスなどでの座り方には、ちょっとした注意が必要です。座面に浅く座って、背筋を伸ばすのが正しい座り方だと誤解している人が多いようですが、本当は座面に深く座るのが正解です。
 浅く座っていると、途中で気が緩んで背もたれに寄りかかって背中が丸まってしまいます。背中が丸まると腹筋や背筋といった体幹の筋肉がゆるみ、活動量が減って脂肪が燃えにくくなります。胸や内蔵も圧迫されて息を深く吸い込みにくくなるので、脂肪は一層燃えにくくなります。そこで椅子に深く腰掛け、座面と背もたれの角にお尻をぎゅっとはめ込むようにします。こうすると骨盤が前に傾いて背骨が前に張り出し背中は丸まらなくなります。この姿勢で、歩くときも同じように胸を広げ、お腹を凹ませて、横隔膜を使って深い呼吸を心がけると、座りながらにしてお腹まわり背中のインナーマッスルが鍛えられて活動量が増えます。座面の高さは、深く腰掛けたときに太ももが床と並行になって、膝が直角に曲がるように調整します。こうすると体重が両足に分散するので、腰にかかる負担が減って腰痛の予防になります。