「組織は人なり」「言葉は人なり」すなわち「組織は言葉」なり 3 わかりづらい報告、なぜ?
1、「書くように話す、話すように書く」
子どもの頃から、「読み・書き・そろばん」を学習してきた私たちは、「書く」ときの文章と、「話す」ときの文章に乖離があるように感じます。
「書く」ときの文章は、多くの場合「読む」ために存在していて、声に出して「話して伝える」ために「書く」ことは、少ないのではないでしょうか。
組織の中で求められる報告書やレポートといった類のものは、大半が「読んで理解してもらう」ために書きます。日々のメール伝達も同様。
「声に出して話して伝えるために書く」のは、祝辞の原稿とか、プレゼンテーションのための資料とか、といったやや特別なケースに限られるのではないかと思います。
そのため、「書く」言葉と、「話す」言葉は、別ものになってしまっているのです。わかりやすい文章とは、この「書く」と「話す」の乖離が小さいものを言うのではないかと、私の拙い経験上ですが、感じています。
それが「書くように話す、話すように書く」ということなのです。
2、「文章をつなぐのは一回」という約束
今日、私が受講した研修については、大変充実していましたが、ホウレンソウと電話応対についてはかなり厳しい課題があるので、復習してこれからの業務の中で実践したいのですが、確実にできるように学んだことを生かたいと考えています。
日本語は、主語と述語の間に「ですが」「ので」「~が」などが入ると、一文がいくらでも長くなります。
一文が長いと、目で見たとき(読む)も、耳で聞いたとき(話す)も、わかりづらくなります。「文章をつなぐのは1回」と決めてみましょう。すっきりと伝わりやすい表現になります。
今日、私が受講した研修については大変充実していました。
(特に)ホウレンソウと電話応対についてはかなり厳しい課題があるので、復習をしてこれからの業務の中で実践したいと考えています。
(そして)確実にできるように学んだことを生かたいと考えています。
3、「一文一息(いちぶんひといき)」一文の長さの目安は、一息(ひといき)分
一文が長すぎると、主語や述語、全体の構造が見えづらく、伝わりにくい文章になってしまいます。では、一文の長さはどの程度が適当なのでしょうか。
一般的には、ワードの文字数の設定上40字程度が適当といわれています。しかし、挨拶やスピーチの原稿のように「話して伝える」ことを目的とするなら、目安は「一息(ひといき)」です。
一息で読める長さの文章にすると、読みやすく聞きやすい文章になります。さらに、噛んだり、言いよどんだりすることが少ない文章になります。
私自身は、パソコンで文章を入力する際に、一息で読めるかどうかを確かめながら作業をするようにしています。
4、目的を明確にして簡潔に言い切る
ところが、一文を短くするのは案外難しいこともあります。
特にあれも言いたい、これも言いたいと、頭の中で言いたいことがまとまらない状態だと、ついつい「ですが」「ので」「~が」で、つなげてしまいがちです。
つまり「何を伝えたいのか」がはっきりしていないと、文章がいたずらに長くなるのです。目的は何か、伝えるべき内容は何か、何を伝えたいのかなどの主旨を明確にすると、一文を短くできるようになります。
「書く」と「話す」はリンクしています。誤解なく伝わるためにも「ダラダラととりとめのない話をする」という印象は避けたいものです。