ワインのビジネスマナー(初心者向け) ワインは最強のビジネスツール
教養としてのワインを身につけることは、幅広いジャンルを包括的に学ぶことになります。地理、歴史、言語、化学、文化、宗教、芸術、経済、投資など。ワインの知識は各分野に横断的に関わっているので、ワインを嗜むことで豊かな国際的知識も得られるのです。その多種多様な知識が、コミュニケーションツールとしての大きな武器になります。
特に多種多様な人種が集まる欧米では、政治や宗教のちがいはもちろん、考え方もさまざまです。時事問題を気軽に話すことも難しいのが現状です。また、ビジネスの場面でもインサイダーの意識が強いため、仕事の話も敬遠されてしまいます。
その際、無難な話題としてあがるのが、スポーツ、アート、音楽、映画、そしてワインなのです。ワインは人と分かち合うことで、よりその存在価値が発揮されます。1本のワインを共有し、感想を語り合うことで、連帯感と親近感が生まれます。深まりゆく秋に、もっと気軽にワインに親しみコミュニケーションを楽しみましょう。(教養としてのワイン 渡辺順子著 ダイヤモンド社 参考)
1、乾杯でグラスは当てない
乾杯の際にグラスを当てるかどうかは、使っているワイングラスにもよります。ビジネスディナーやフォーマルな席で使われる会場では、繊細な薄手のグラスを使用していることも多いので、勢い余って割れてしまわないよう、グラスを当てないほうが無難でしょう。繊細なグラスは少しの衝撃で割れてしまうことがあります。
ただし、グラスを当てて音を出すほうが縁起がいいと考える国もあります。ホスト役の方がグラスを当てて乾杯していたら、それに従いましょう。
2、ワイングラスを汚さない
グラスを持つ際はステム(脚)の部分を持ちます。高級なグラスはとても繊細です。ボウルの部分を持ってクリスタルに指紋をつけたり、汚したりするのはマナー違反です。
また、ボウルを鷲掴みにして飲むと相手に不快感を与えるので、優雅に飲むことも心得ましょう。食事とともにワインをいただく場合は、グラスに食べたものがつかないように注意します。特に脂っこいものを食べた際は、必ずナプキンで口を拭いてからワインを飲むようにしてください。飲み口が汚れてしまったら、ナプキンでそっと拭き取ります。女性の口紅がグラスについてしまうのもNGです。
3、香りを楽しむ余裕を持つ
ワインを飲む際は、2?3回グラスを回して香りを楽しみながら飲む習慣を。香りを楽しみ、ゆっくりと味わうこともマナーです。ビールを飲むようにガブガブ飲んでしまっては、せっかくのワインが台無しです。
4、グラスいっぱいにワインをなみなみ注がない
ゲストにワインを注ぐ際は、ホスト役の男性が注ぐようにしてください。赤ワインの場合はグラスになみなみ注がないようにしましょう。なみなみ注いでしまうとグラスを回しづらくなってしまいます。大きなグラスであれば、注ぐ量はグラス半分以下がいいでしょう。大きなグラスはボルドーやブルゴーニュなどの高級ワイン用のことも多いので、少しずつ注いでゆっくり味わっていただきたいのです。
白ワインの場合、ワインの質やヴィンテージによりますが、常にグラスを回して空気に触れさせる必要がないので適量を注いでください。フルートグラスにシャンパンやスバークリングワインを注ぐ際は、グラスいっぱいに注いでも大丈夫です。
5、急いでワインを注ぎ足さない
ワインは空気に触れさせながら香りや味の変化を楽しむものです。少し減ったからといって、すぐに注ぎ足すのはやめましょう。特に空気に触れさせながら変化を楽しむ赤ワインでは、次々とワインを注ぎ足すのは考えものです。白ワインの場合でも、冷えたワインを注ぎ足すと温度が変化して味が変わってしまいます。
ただし、ゲストのグラスを空にしてしまうのもマナー違反なので、ゲストがワインを飲むスピードに配慮しながら、タイミングよく注ぎ足すようにしましょう。