「花束のような」姿勢
歓送迎会の季節です。と言っても、このコロナ禍では派手な宴会は見かけなくなりましたが。それでも、去りゆく同僚や上司・先輩に花束を渡す習慣だけは残っているのか、最近、街中で大きな花束を抱えた仕事帰りのビジネスマンを時々見かけます。
きれいにラッピングされた花束をみると、つい見入ってしまいますが、花束ってよく見ると逆三角の形をしていますね。花の部分がフワッと広がって、茎の下の部分にリボンが結んであってキュッと細くなっています。
以前、姿勢を正す方法をマナー講師の方にお聞きしたことがあります。その講師の先生が素敵な方だったので、あえて教えていただきました。
すると、「自分を花束だと思って姿勢を正すといい」と、教えてくださいました。
「気をつけ!」の号令に見るような、背筋も足も、指先までピンと伸びた姿勢は、まっすぐで綺麗ですが、張り詰めた空気があり、周囲にも緊張感を強いてしまいがちです。
通常の生活での「良い姿勢」は、周囲も自分自身も心地よく、安心感があり、節度をもったしなやかな姿。それは、背筋を伸ばし、肩の力は抜き、上半身はリラックス、下半身は重心を置いて適度な緊張感をもたせるという、メリハリのある姿なのだそうです。
緊張感のある引き締まった部分と、柔らかな部分があることで、安心感や信頼感にもつながります。下半身の緊張を保つためには、左右の足首と膝をつけておくこと。
これは、花束の逆三角の形に重なりませんか?顔は花、足首はキュッとリボンを結んだイメージです。
バラでもユリでも、自分の好きな花束をイメージして、自分が花束になったつもりで姿勢を正す。すると、自然に背筋が伸びて気持ちも上向くのだそうです。
さて、今日はどんな花束になりましょうか。花束を意識すると、立ち居振る舞いも、笑顔も自然に品性が伴う気がしませんか?