アフターコロナの生き方~リモートトラストの形成
アフターコロナは、「新世界」です。私たちはもうもとの世界に戻ることはできません。誰も体験したことのない未来の「新世界」を、あなたはどうデザインしますか?「人類2.0アフターコロナの生き方」(小林慎和著 プレジデント社)よりご紹介します。
1、一度も会ったことのない人に仕事を依頼するならいくらまで?
リモートで仕事を依頼するなら、金額はいくらまで出せるでしょうか?オンラインミーティングなど、リモートで人と接することが当たり前の社会では、人間関係、信頼の蓄積の方法も変化していきます。
リアルで会わず、相手の「空気」を感じたこともない状態で1000万円のプロジェクトの発注ができるのか?スタートアップ企業への1億円の出資を決められるのか?オンラインミーティングでのやりとりを通じて、相手への信頼をそこまで寄せることは可能なのか?
反対に、画面の向こう側にいる相手に対して自分の信頼をそこまで高め、仕事を獲得することはできるのか?これは大きなテーマです。しかも、それは国内に留まらず、中国やインドなど国境を超えた取引であることも考えられます。
「さすがに会ったことがない人には仕事を頼めないよ。せめて一度でも直接会っていれば、そのあとはリモートでもいけるかもしれないけどね」。そう考える人もいるはずです。もちろん、それはそれで「あり」な選択です。
ただ、ここで身につけるべき武器とは、「一度も会ったことがない人とでも、リモートでやりとりするだけで、ビジネス上の信頼関係を築くことができ、大きな意思決定や仕事の受発注が可能になる」スキルです。これをリモートトラスト(remote trust)と呼んでいます。
このコロナ禍において、リモートトラストを身につけることができた人は、とてつもなく強くなるはずです。それは、リモートトラストを築ければ、活躍できるフィールドはどこにいても「世界」になることを意味します。
2、期待値を超えるアウトプット(成果)が出せるか
リモートトラストを勝ち取るための答えは、「期待値を超えるアウトプット(成果)」です。
フルオンライン化が進んだアフターコロナの世界では、単位時間は短縮されどんどん細切れになっていきます。細切れになるということは、ひとつの案件そのものの進行過程が小刻みになるということを指します。それは、つまり、アウトプットを示せるチャンスの回数が格段に増えるということ。
リモートトラストを勝ち得ることは、毎日積み重ねていく連続したアウトプットによって可能となります。ここでのポイントは、仕事の成果というものの塊、単位の価値観を変えることです。
期待値を超えるアウトプットとは、結果そのものが変わるアウトプットであるということ。あなたがする場合と、ほかの人がする場合とで、アウトプットしてくれる内容があきらかに異なり、その後に影響を及ぼす度合いも変わる。それが期待値を超えるアウトプットです。極端な言い方をすれば、15分刻みで期待値を超えるアウトプットを示し続けることです。
3、相手を信頼する
15分刻みといっても、仕事のすべてがそうである必要はありません。即座にアウトプットを返すものもあれば、数日後に示すものだってあるはずです。
新たな相手とリモートでのコミュニケーションがはじまった際に、お互いが心地良いと思える反応速度と確認事項の細かさが一致するかどうか。これが信頼の判断基準となります。