入社式の社長のことば
新型コロナウイルスの影響で思いもかけない「春」となりました。周囲を見渡せば、マスクで顔の半分以上を隠した人たちばかり。各種イベントが中止になるだけでなく、歓送迎会も縮小か中止。これから新社会人となる人たちの研修もキャンセルが相次ぎ、楽しみも学習の機会も奪われてしまったかのような世の中ですが、世界を見ても株価暴落、円高、石油安で、冗談にも「春の陽気に誘われて」などと言っていられないような状況です。
しかし、そんな情勢だからこそしっかりとした「社長のことば」はキラリと光ります。ネットを検索していると、力強い社長のことばに出会いました。どの言葉にも社長の人柄と企業文化が表れています。一部をご紹介します。(J-CASTニュース会社ウォッチ「心にひびく社長の挨拶」https://www.excite.co.jp/news/article/Jcast_kaisha_354344/?p=5)
◆ ソフトバンクグループ 孫正義会長 「仕事とは人の役に立つこと」
「私は4月という季節が大好きです。毎年冬の寒さに耐えて桜の花が咲く。1輪ずつでもきれいですが、群れで咲き誇った時が本当に美しい。皆さん一人ひとりが咲いてもきれいですが、力を合わせ、志を共にして一緒に笑顔で咲いた時には格別な、さらなる喜びがあります」そのチームワークで咲かせる志とは何か――。「創業以来一度も変わらない、また変わってはならないこと。それは経営理念の『情報革命で人々を幸せにする』に尽きます」
◆ 三菱重工業 泉澤清次社長 「守破離」
「私の座右の銘は『守破離』(しゅはり)という言葉です。私が学生時代から続けている剣道など武道の修業の段階を示しています。指導者の教えを忠実に学び、確実に身につける段階の『守』。そこで学んだことに自分なりの工夫を凝らし技術を高める段階の『破』。技術をさらに深め、独自に新しいものを確立していく段階の『離』。しっかりとした基本に自分が工夫をして、初めて『形破れ』が実現します。まずは、先輩たちのよいところは貪欲に真似をして自分のものにしてください。
◆ 近鉄エクスプレスグループ 鳥居伸年社長 「泥臭さが実態である」
「当社は世界45か国にネットワークを持つ、社員数1万8000人の世界規模の会社です。『グローバル・ロジスティクス・パートナー』と称していますから、何となくスマートなイメージを持つかもしれませんが、その実態は『貨物屋』です。365日24時間、世界のどこかで多くの社員が現場で働いています。スマートとは異なる泥臭さが実態なのです。NHK大河ドラマ『いだてん』の主人公・金栗四三の碑に刻まれている言葉は『体力、気力、努力』ですが、この順番に大きな意味があるようです。つまり、体力がなければ気力がついてこず、体力と気力が充実しなければ努力もままならない。体力も気力も充実した若い皆さんは、精一杯努力をして自己研鑽に努めて下さい」
◆ シン・エナジー(神戸市) 乾正博社長(3人の新入社員を前に)
「未来の子どもたちからの『ありがとう』のため 生きとし生けるものと自然が共生できる社会を――というわが社の経営理念は、1000年先に人類は地球で暮らしていけるのか、という深刻な懸念から生まれた言葉です。皆さんは人類だけでなく昆虫や動物も含めた環境について考えてください。さて、『働く』という字は、『傍楽(はたらく)』という字を当てれば、『周りの人が楽(らく)になる』『周りの人を楽(たの)しくする』という意味を込めることもできます。日々の仕事を楽しんで、若い感性を仕事に生かして下さい」
◆ポピンズグループ(本社・東京都渋谷区) 轟麻衣子社長(保育士を中心に女性社員が多いとあって初の「託児室付き」の入社式にて)
「お子様を預かるということは、その一人ひとりの命を、責任を持って預かるということです。そしてお子様の成長を促して輝く人生へと導きます。お子様を育てながら、そのお母様、お父様も応援するのです。働くお母様が安心して仕事ができるよう寄り添うのです。この根底にあるのは『愛』です。『愛』こそがポピンズのエンジンなのです」