残念なコミュニケーション「挨拶をしても挨拶を返してくれない人に、挨拶をするべきか?」
接遇マナー講座をしていると、日常でのちょっとした所作や心構えについて、多くの質問を受けます。最近、若い女性Aさんからいただいた質問と回答をご紹介しますが、意外とこのケースは珍しくないようです。貴方ならどのような回答をされますか?
<質問>
職場の中に、挨拶をしても無視する人がいます。私は、アイコンタクトをとって、本人に聞こえるように挨拶をするのですが、その人からは何も返ってきません。挨拶はそもそも、相手の反応を期待してするものではないとわかっていますが、だんだん気持ちが萎えてきます。こんな場合でも、その人に挨拶をするべきなのでしょうか。また、反応がなくても自分の心を保つ考え方を教えてください。
<回答>
「挨拶」は「心を開いて相手に近づく」という意味です。Aさんがせっかく心を開いて、相手に歩み寄っているのに、まったく反応がないというのは、何か事情があるにせよ「残念な人」としか言いようがありません。
ただ少し見方を変えたら、周囲の人はそんなAさんをちゃんと見ています。いつでも誰でも気持ちよく挨拶をしているAさんの姿は、他の人にはとても感じがよく、時には誰かに元気を与えたり明るい空気を作ったりしているのではないでしょうか。
「挨拶をしてくれないから私も挨拶をしない」では、「残念な人」と同じレベルに成り下がってしまうことになります。せっかく気持ちのいい挨拶ができるのに、それはあまりに勿体無い!「挨拶」は「運の貯金」と思ってはいかがでしょうか。反応のあるなしに関わらず少しずつ貯めた運は、いつか必ず大きな運となってAさんに返ってきます。よほどストレスにならない限り、もうしばらくは挨拶を続けてみてはいかがでしょうか。