特集 礼状を書く、時候の挨拶に裏ワザあり
1.時候の挨拶の常套句をやめる
手紙の書き方などの本は巷にあふれるほどあります。日本人としての常識を知ることは大切です。
頭語…拝啓、謹啓、一筆啓上、急啓、急白、前略、冠省など
前文…時候の挨拶など
本文
末文…しめくくりの挨拶
結語…敬具、不一、早々、頓首など
後付け…日付、自分の名、相手の名など
追って書き…追伸など
以上のようなことを、一応知っておいて、頭語や結語は自分の好きなものを決めておけばいいでしょう。
手紙の指南書には、前文には「桜花の候」「陽春の候」といったものや、「うららかな季節となりました」「すっかり春めいてまいりました」などがあります。
そういった決まり文句は、会社から出す通知やビジネスライクなものについては、無難に使えますが、友人、知人などの親しい人に出す手紙としては不十分です。なぜなら、常套句には人柄が感じられないからです。親しい友達からの手紙に「新緑の候 いかがお過ごしでしょうか」などと書いてあると、どこか不自然な感じがします。型通りのことを書かない事で、かえって心が通うということもあるのです。
2.常套句をやめるという裏ワザ
ただし、日本人なので、時候に触れないはNGです。季節や天気についてオリジナルな文章を加えてみましょう。これは、それだけで手紙が上等なものに見えてくるという裏ワザです。
暑い、寒い、雨が降った、桜が咲いた、星や月、旬の食べ物など日頃感じていることを工夫して文章にすればいいのです。
「節電で、クーラーをつけるのを我慢していたら思考がはたらかなくなりました」
「ゴールデンウィークの人出にうんざりして、家で静かに過ごしています」
「昨夜の満月に、満開の桜が浮かび上がりました。思わず日本酒が恋しくなりました」
ちょっと工夫をすれば、書き手の姿や人柄がにじみ出る魅力的な文章になります。