F&Aレポート

「ビジネスマナー」と「愛」

「ビジネスマナー」と「愛」

 今さらですが、ビジネスマナーとは、ビジネスで出会うさまざまな人と円滑に仕事を進めるための潤滑油のようなもので、かつ人間関係基礎力です。ビジネスにおいて、ビジネスマナーの良し悪しが、自分の印象だけでなく会社や職場の印象をも左右します。

 そして、このビジネスマナーは「仕事の自信度」に、直接的にも間接的にもつながっているように見受けられます。マナーが身についている人は、とても自然に振る舞いながら嫌な印象を与えません。マナーが身についていない人に限って、マナーを軽く見ていたり、不自然に構えて、お互いが気まずくなったりするシーンを見かけます。マナーが身についている人は、自分も他者も、お互いを幸せにすることができるのです。

 ビジネスマナー講座をすると、決まって「マナーは堅苦しいもの」「形にこだわるもの」という印象を持っている人が少なからずいます。また、「マナーとは、型にはまって個性を消してしまうもの」という認識の人もいます。

 実は私自身も、昔はそう思っていました。しかし、それは海を見たこともないのに、海を語るようなもの。大いなる誤解でした。

 マナーは知れば知るほど自由になり、自分の個性を発揮でき、ゆるぎのない自信へと繋がっていくものなのです。なぜなら、先に述べたように「人間関係基礎力」だからです。

 基礎力が身につけば応用することができます。この「応用」のさじ加減に「個性」が現れるのです。基礎力を身につけた人は、どんどん自分らしさを発揮することができますが、基礎力なき個性は、一人よがりの勘違いです。だから、空回りしてしまうのです。

 マナーの根底には必ず、感謝や相手を尊重する気持ちが存在しています。それは言い換えれば、愛の存在ともいえるでしょう。自他共に大切にするという愛です。

 「ビジネス」と「愛」。一見、両極端にあるようなものに見えるかもしれませんが、ビジネスマナーには、この二つが備わっているように私は感じるのです。