F&Aレポート

節目を大切にする、寿(ことほ)ぐ

スマホ、インターネット 子供版マナー講座

 先日広島市内では、「とうかさん」という祭りがありました。これは、初夏を呼ぶ祭りとして古くから市民に親しまれている祭りです。巷では「浴衣を着る祭り」としても有名で、小さい子供からシニアに至るまで、この日ばかりは繁華街を涼しげに浴衣を着てそぞろ歩く人たちを多く見かけます。

 さて、この「祭り」にちなみ「祭りってどう思う?」をテーマに、スピーチ講座をしたところ、即興スピーチにも関わらず十人十色の内容がありました。たとえば以下の通り、

「一言でいえば、人のつながりです」「ドキドキワクワクの子供時代を思い出します」「祭りといえば、神輿です」「家が農家だったので、豊作を喜ぶのが祭りでした」「阿波踊りをみて、人と地のエネルギーを感じました」「伝統と文化だと思います」などです。

 地域の祭りから、日本三大祭りに数えられる大きな祭りまで、そこに集う人たちの思いや、祭りに関わるエピソードなどが語られました。

 そもそも、日本人は人生の節目をとても大切にしてきました。自然の恵みに感謝をして収穫を祝う、子供の成長を願う、移ろう季節を愛し五節句(1月7日七草の節句、3月3日も物節句、5月5日端午の節句、7月7日七夕の節句、9月9日重陽の節句)を祝うなど。

 節目の日には、神様にお供え物をしたり、神社に参拝し邪気を払い身を清めるなどをして、共に喜び、共に祝い、共に感謝をして、清々しい気持ちで新しい明日を迎えるといった心持ちで過ごすわけです。

 情報技術や人工知能が発達して、生活はとても便利になり、反面忙しくなってしまった現代は、案外こういった本質を忘れてしまいがちです。
 古くから受け継がれた行事や節目は、生活に潤いやメリハリをもたらします。ちょっとした工夫とアイデアで、日々の暮らしの中に節目を取り入れるのは大人ならでは。節目節目を大切に思い、寿ぐことは(言葉に出して祝う)心のエネルギーの充電ではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。