F&Aレポート

傷つけない言い方

傷つけない言い方

 コミュニケーションには、<挨拶レベル>→<実・数字レベル>→<考え・信条レベル>→<感情レベル>があると言われています。これらは、あとにくるものほど深いレベルになっています。(挨拶レベルが一番浅く、感情レベルが一番深い)

 医療機関を受診する患者さんの多くは、苦しみといった主観的な感情レベルの世界にいることが多く医療従事者はその苦悩を受け取ったあと、専門的で客観的な事実・数字レベルの内容を返すのだそうです。深さを変えて話す工夫がコミュニケーションを豊かにするからだといいます。

 私たちの日常ではどうでしょうか。仕事で異議を唱える、または、言いにくいことを伝えなければならないときなどは、どんな言葉で伝えればいいのか悩むことがあります。

 たとえば、部下のミスを指摘する際に「何回言ったらわかるんだ」「前にも言ったよね」「わからないやつだなー」などど、感情レベルにいきなり侵入するのは、部下の心に土足で入るようなものです。おそらく、言われた部下は心を閉ざし、その後の話は半分も頭に入らないでしょう。したがってまた同じミスを繰り返す…という悪循環を引き起こしかねません。

 否定的な内容は、傷つきやすい感情レベルから入るのはタブーです。その前の、数字・事実レベルから入るのがベター。「ここはミス率が高いから、慎重に」と客観的に呈した上で、次の対策を考えさせる(または一緒に考える)などの、考え・信条レベルに持っていくほうが、コミュニケーションはスムーズです。

 もしも傷つけてしまったら、「ここは問題なし」と受け止めやすい客観的なことばを投げかけて見ましょう。受け取った相手の反応をみながら、コミュニケーションのレベルを工夫してみることで、無駄な衝突や誤解を避け、業務遂行することができます。

 若い人とのコミュニケーションに悩む人、若手の育成や指導に困っている人は、このコミュニケーションのレベルを理解し、工夫されることをお勧めします。

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