F&Aレポート

夏休み子ども科学電話相談1「恐竜の肉はどんな味?」

夏休み子ども科学電話相談1「恐竜の肉はどんな味?」

「夏休み子ども科学電話相談」は、小中学生の科学に対する疑問や興味に答えるNHKラジオ番組です。昆虫、宇宙、植物、動物など、素朴な疑問をぶつけてくる子ども達に対して、専門家の先生たちが答えに困ることもあり、ラジオを聞いている大人もドギマギしたりすることも。今回はそんな放送記録をネットで「書き起こし」として紹介してあるものをご紹介します。(2018年7月31日放送)

<出演>山田敦子アナウンサー/小林快次先生(北海道大学総合博物館 准教授)/川上和人先生(森林総合研究所 主任研究員)/りくくん 小5三重県(質問者)

山田アナ:りくくんの質問は、どういうことですか。

りくくん:恐竜の肉はおいしいんですか。

山田アナ:あ、どうしてこれに興味をもったの?

りくくん:えっと、お母さんがワニの肉を食べたことがあって、鶏肉に似て美味しいってたし、恐竜から進化した魚もおいしいからです。

山田アナ:わかりました。恐竜の肉の味。じゃあ、小林先生にまず聞いてみましょう。

小林先生:おもしろい質問ですね。これは、今、りくくんがワニと鳥の肉がおいしいから、そのあいだにいる恐竜もおいしいんじゃないか、っていう考え方は「ファイロジェネティック・プラケット」という、非常に高度な考え方です。まあ、今のことばはいいとして、答えとしては「おいしいかな」と思います。ワニ肉は、先生も何種類か食べたけど、どれもおいしかったし、鳥も、たとえば鶏肉だったり、カモ肉ですかね、そういうのは一般に食べられてますけど、どっちも美味しいから。たとえばね、りくくん、お母さんにお願いして、ワニ肉と鶏肉のミンチを作って、それでハンバーグ作って、恐竜バーガーなんか作ってみたらどうかな?

りくくん:はい。

小林先生:ただ、鳥もいろいろあるみたいなんだけど、ちょっと川上先生がいろんな鳥を食べてるみたいで、味のこと聞いてみたいんですけど、どうなんですか。

川上先生:どうもこんにちは。川上です。鳥肉っていっても、たぶん、ふだん食べるのはニワトリの肉だと思うんですね。ニワトリの肉って、白っぽくてあっさりした味がするんですよ。あまり長距離を飛ばない鳥っていうのは白っぽい肉なんですね。でも鳥っていうのは、だいたい長距離飛んだり、よく動くものなので、実は赤身のものが多くて、それはすごく味がしっかりしてます。たとえば、飛ばないけどダチョウなんかもそうだし、スズメだろうがハトだろうがカラスだろうが、そして先ほどのカモも、とても赤い、しっかりした味がします。だから、もしかしたら、そういう行動によって、味がちがうかもしれないです。あと、魚を食べる鳥、海鳥なんかがいるんですけども、そういう海鳥は魚の味が肉の中でするので、魚と鳥肉の両方の味が遺書に味わえるような味になっています。

りくくん:へええ。

川上先生:これもすごくおいしい鳥肉だな、とぼくは思ってます。

小林先生:ということは、川上先生、たとえば魚食性の恐竜のスピノサウルスなんて、絶品だったりするわけですかね。

川上先生:そうですね。魚のおいしさと鳥のおいしさが両方まとめて味わえるかもしれないですね。深みのある味かもしれないです。

小林先生:たとえば動かないやつだったら、アンキロサウルスなんかもけっこうおいしそうな感じなんですかね。

川上先生:ほかの恐竜に比べると、白身であっさりした味かもしれないですね。

小林先生:ああ、やっぱり速く走れるやつだったら、オルニトなんかあるんで、オルニトミムスわかるよね?あれなんか赤身だから。いろんな恐竜で、味がちがったりするんですかね。

川上先生:そうですね。味もちがうだろうし、よく走るような恐竜だと、たぶんしっかりとした筋肉だと思うので、料理をするときもよく煮込んだ方がいいと思いますね。

りくくん:はい。

小林伝世:じゃあ、りくくん。自由研究さ、恐竜のレシピっていうか、料理本なんか作ったら、面白いんじゃないの。

りくくん:ふふふふふ。料理本ですか。

小林先生:おもしろいよね。

山田アナ:りくくん。先生の話し聞いてどう?食べてみたくなった?

りくくん:はい、食べてみたくなりました。

小林先生:じゃあ、想像してみよう。

山田アナ:ということで、わかりましたか?

りくくん:はい。

山田アナ:はい。お電話どうもありがとうね。

りくくん:こちらこそありがとうございました。

「夏休み子ども科学電話相談」は、「世界は朝からはじまったの?」「どうして虫の病院はないの?」「AIは人に恋をする?」など、子ども目線の面白くて鋭い質問がたくさん出てきます。専門知識があっても、限られた時間で、子どもにわかるように質問するには、それなりの苦労もあるようです。童心に返る一方で「へぇ~」と勉強になることもたくさん!

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