人気の名前からみる「平成」「昭和」
いきなりですが、私の講座や教室では、受講生を苗字ではなく、下の名前で呼ばせてもらっています。理由はシンプルです。「敬意と親しみを込めたいから」です。
「名前」には、親や周囲の人たちの思いが詰まっています。また、「名前は世界で一番短い詩」とも言われています。それに、小さい頃は、名前で呼び合うことも多く、誰もが名前には愛着があるものです。
少し前置きが長くなりましが、言うまでもなく「名前」というのは「思い」のこもったものです。平成30年間に人気のあった名前をみれば、この時代の思いや希望などが、見えてくるのではないでしょうか。まずは、明治安田生命が発表した「平成でもっとも人気のあった名前ランキング」をみてみましょう。
順位 男の子 女の子
第1位 翔太(しょうた) 美咲(みさき)
第2位 翔(しょう) 葵(あおい)
第3位 健太(けんた) 陽菜(ひな)
第4位 蓮(れん) さくら
第5位 大輝(だいき) 愛(あい)
第6位 大翔(ひろと) 結衣(ゆい)
第7位 翼(つばさ) 七海(ななみ)
第8位 大樹(だいき) 愛美(まなみ)
第9位 颯太(そうた) 未来(みらい)
第10位 拓也(たくや) 美月(みづき)
男の子の第一位「翔太」は、平成元年から3年連続1位になるなど、平成元年から9年にかけて高い人気を博していたそうです。また、女の子の第1位「美咲」は、平成3年から6年連続トップなった以降も高い人気を誇っているということです。
また「音」のイメージでは、「サ行」の音は日本人の耳に最も美しく響く音と言われています。「ショウタ」「ミサキ」いずれも、「サ行」の音が使われ、「さわやか」で「涼しげ」といった印象が先行します。平成は、男の子にも女の子にも、そのような美しいイメージを願いたくなる時代であったとみてもいいかもしれません。
ちなみに、昭和44(1969)年の名前人気ランキングはあるデータによると、次の通りです。平成の名前とは、すいぶんイメージが違うのがわかります。
平成のように、「さらり」としたイメージではなく「実直」な印象があります。特に男の子の名前には「強さ」が感じられます。名前から見る限りですが、昭和は「強い」イメージの男の子が好まれた時代なのでしょう。
順位 男の子 女の子
第1位 誠(まこと) 直美(なおみ)
第2位 健一(けんいち) 智子(ともこ)
第3位 哲也(てつや) 由美子(ゆみこ)
第4位 剛(つよし) 陽子(ようこ)
第5位 浩二(こうじ) 裕子(ゆうこ)
第6位 直樹(なおき) 真由美(まゆみ)
第7位 徹(とおる) 久美子(くみこ)
第8位 健(たけし、けん) 恵子(けいこ)
第9位 浩(ひろし) 由美(ゆみ)
第10位 和彦(かずひこ) 幸子(さちこ、ゆきこ)
昭和から平成、そして「令和」へと時代が移り変わる中で、人気の名前もまた変化していくのでしょう。「令」の文字は、「頭上に頂く冠を象徴している」といわれ、「ひざまづく」「かしづく」、ことで、「神意を聞くこと」を意味すると言われています。
「令和」は、新時代の流れにのって「令」という文字が使われることも多いのではないかと言われています。いずれにせよ、平和で幸せな時代の到来に期待したいところです。