わくわく日本語講座4 ~簡潔でわかりやすい誤解のない文章
忙しい人にとって、要領を得ない長々しい文章を読まされるのはかなりの苦痛です。
まして、メール文章はただでさえ読みづらいものです。生産性を上げるためにも、簡潔でわかりやすい文章を書くためには、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。
1、文をつなぐのは一度だけ
一文を短くしましょう。ひとつの文は40~50字を目安に、最大でも80字程度で納めます。長い文はたいてい、いくつもの文がつながってできています。
例)「会議が長引いた」「だから約束に遅れた」
↓
「会議が長引いたので、約束に遅れた」
簡潔でわかりやすい文にするコツは、この文中にある「?ので」のような言葉を、ひとつの文の中に一度までしか使わないことです。他にも「~が」「~(し)て」「~ため」「~たら」などがあります。
×天気予報では雨だったので、、、
×試合は中止だと思っていたが、、、 ←文はどこまでも長くなる
×昼には雨が上がったため、、、
×友人に電話して、、、
一文でつなぐ 「天気予報は雨だったので、試合は中止だと思っていたが、
昼には雨が上がったため、友人に電話して、、、」
文をつながない場合「天気予報は雨だった。だから試合は中止だと思っていた。
しかし昼には雨が上がった。そこで友人に電話した。」
2、文をつないだ場合、あとの方を丁寧に
「決定いたしました」「ご報告いたします」という2つの文章をつなぐと、「決定いたしましたので、ご報告いたします」というくどい文になります。このような場合は、あとの丁寧表現を残すのが原則です。スッキリまとまります。
→「決定しましたので、ご報告いたします」
3、数字で表現すれば、より明確になる
「あさイチに」「夕方まで」「なるべく早く」などの表現は、あいまいで解釈に個人差が生じます。場合によっては、トラブルにもなりかねません。数字で表現できることは数字を使いましょう。
早急にお返事します → 4月20日までにお返事します
受注額はかなり多めです → 受注額は500万円です
長期出張 → 2週間の出張
4、読点を活かして正確な文章にする
読点「、」は、文を読みやすくするためのものですが、情報を正確に伝えるためにも欠かせません。うまく使って、わかりやすい文を書きましょう。
●古い資料の棚
→古い、資料の棚(資料が古い)
→古い資料の、棚(資料が古い)
●予算の問題で保留中の1案と2案
→予算の問題で保留中の1案と、2案(保留中なのは1案のみ)
→予算の問題で保留中の、1案と2案(1案と2案ともに保留中)
その他、「やっぱり」「しっかりと」などの副詞や、形容詞「美しい」「つまらない」などの余計な修飾語をつかわないことも簡潔に伝えるポイントです。