F&Aレポート

スマホを見ない時間をつくる

スマホを見ない時間をつくる

 最近の新入社員研修で驚いたことがあります。それは、昼休みの会場が異常に静かだったことです。研修を受講するメンバーが班ごとに机を並べ、顔を付き合わせて、企業側が準備した同じ弁当を食べているにも関わらず、シーンとしているのです。不思議に思ってそっと覗いてみると、皆スマホをいじりながら昼食を食べていました。

 昼食を食べている間もスマホをチェックし、食べ終わってからも片時もスマホを手放そうとはしないのです。これは、目の前の人とのリアルなコミュニケーションよりも、バーチャルなネット情報を優先しているということになります。

 このことからもわかるように、現代人は四六時中スマホに縛られています。スマホから解放されるのは、眠っている時間だけなのかもしれません。朝起きて一番にすることは、スマホや携帯をチェックするという人も増えているようです。

 そうなると、自分自身に意識が向くよりも、他人や外の情報に目が向いてしまい、常に周囲の状況に流されていることになります。落ち着いて、自分に向き合う時間を持つことで自分自身に集中し、自分のペースをつくることができます。惰性でスマホを見るのをやめて、「スマホの電源を切る時間」をつくってみてはいかがでしょうか。

 特に、朝の時間は脳がクリアで、心もリセットされています。一日の予定を確認したり、自分自身の心身の状態を感じてみることで、自分自身の内側に目を向けることができます。なにか大事なインスピレーションが得られるかもしれません。

 スマホは便利なツールですが、私たちの心は常に多くの情報にさらされ、ともすれば自分を見失いがちです。一日のうちの数十分でも、ザワザワした時間から離れて自分自身と対話をする時間をあえてつくってみるのはいかがでしょうか。心のオンとオフのバランスがとれ、メリハリのある生活になることと思います。