F&Aレポート

日本語トレーニング(5)口癖NG 無くて七癖、無くて口癖

日本語トレーニング(5)口癖NG 無くて七癖、無くて口癖

「無くて七癖」という諺の通り、癖がないように見える人でも、多少の癖があるものです。口癖においても然りです。一見癖がないように見えても観察してみると、誰でも口癖があります。今回は、気になる口癖をみてみましょう。

1.「私はですね、、、」「これはですね、、、」「そういうことでですね、、、」
「ですね」という口癖です。たとえば、次のAさんとBさんの印象を感じてください。
Aさん「私は、先日講座を受講しまして、非常に勉強になったことがあります」
Bさん「私はですね、先日講座を受講しましてですね、非常に勉強になったことがありましてですね、、、」

 Bさんの方が、ややくだけた(カジュアルな)印象があります。「です」という丁寧語を使っているにも関わらず「ね」が付くことで、「馴れ馴れしい」印象を与えてしまいかねません。また、「ね」を多用すると、一文が長くなりがちです。全体的にすっきりしない印象になり、言わんとするところがボケてしまうおそれもあります。

2.「思います」「思われます」
「これは、必ずお役に立ちます」
「これは、必ずお役に立つと思います」
「これは、必ずお役に立つと思われます」

上記の文章は、下にいくほどメッセージ性が弱くなります。従って、スピーチやプレゼンを聴いていて「思います」が多い人は、自信がないのだな~と感じます。
 「思います」「思われます」は、悪い言葉でも間違った言葉でもありません。ただ、事実を示すときは、「です」「ます」で言い切ることも必要です。
 「思います」と言った瞬間に、それは「事実」ではなく「意見」になります。

3.「でも」「だって」「どうせ」
「予算が必要なんですね。でも、難しいです」
「だって忙しい」「どうせ時間がない」
これらの口癖が増えると、後ろ向きになります。会議では、場の空気も変えてしまうことがあります。

4.「なるほどですね」
 「なるほどですね」は、「なるほど」「そうですね」という二つの言葉を合成した略語ですので、軽い印象になるだけでなく、失礼にあたることもあります。そもそも「なるほど」は、同等か目下の人に使う言葉とされています。「おっしゃるとおりです」と、言い換えるだけで、品がよくなります。

5.「~のほう」
「領収書のほうをお渡しします」
「お荷物のほうをお持ちしましょうか」
「資料のほうはこちらです」

なぜ、「~のほう」を多用してしまうのか。それは、はっきり言い表したくない心理が働いているからです。「領収書」「お荷物」「資料」と言い切らず、「?のほう」を付けることで、その周辺にあるものなども含むため、都合が良いのかもしれません。これは、案外無意識のうちに使っている人が多い口癖です。「~のほう」ということば自体は問題ないのですが、「~のほう」を付けなくても意味が通じるときには、ない方がすっきりします。

 そのほかにも、「やっぱり」「しっかり」などの副詞を連発すると、具体性の欠けた話になりがちです。また、「頑張って」もねぎらう言葉なので、目上の人には使えません。また、「やばい」「ふつうに」「○○げ」という若者言葉や、スラング(俗語)もビジネスでは使えない品位の欠ける言葉です。

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