お土産にみる日本の贈答文化
先日、四国を旅行した友人から「母恵夢(ポエム)」と「一六タルト」のお土産をもらいました。どちらも由緒あるご当地銘菓です。そこで気になったのが、「お土産を渡す」という日本の習慣です。日本にはその土地ごとに銘菓があって、旅行にいけば自分の物よりも、人にあげるためのお土産をたくさん買いますが、外国ではどうなのでしょう。
そこで、海外の贈答文化について調べてみましたが、どうやら外国では、日本ほどお土産は買わないし、お中元、お歳暮、結婚祝い、出産祝い、七五三、入学祝い、合格祝いなんてものもないようです。そして、お返しも基本ありません。「内祝」なんて形式はないのです。まして、現金を渡すことはありません。現金を入れる専用の袋(のし袋など)も当然ありません。
世界のディズニーランドをみても、東京ディズニーランドは海外の比にならないほど、お土産がよく売れるそうです。
また、今はあまり言わなくなりましたが、「つまらないものですが」という言葉を添えるのは、もらう側の気持ちの負担を軽くしたいためでもありますが、この謙遜は外国の人には通じません。「プレゼントをもらって嬉しい!」という表現の仕方も違います。日本人は、贈物は「気持ちを包む」ものなので、ラッピングまで気を遣います。そのため、いただいた品物はきれいにテープをはがして包装紙を丁寧に開けます。外国では、早く品物を見たいという、はやる気持ちをアピールするのが良しとされていますから、ラッピングなど目にも留まらないという様子で、リボンや包装紙はバリバリと破いて、無造作に取り出すのが良いのです。
今はインバウンド時代で、海外からの観光客も増え、日本で暮らす外国人も増えました。もしかしたら「贈物をしたのにお返しがない」なんて怪訝に思うこともあるかもしれませんが、贈答文化の違いをわきまえて、お互い気持ちよくお付き合いしたいものです。