うなづき方でわかる「聴く力」~「あなたの話を、深いところで私はしっかり受け止めています
「うん、うん」「へー」「なるほど」など、会話をする際に聞き役は、たいてい相づちをうちます。この相づちが「合いの手」になり、会話のリズムをつくります。
たとえばあなたの大事な友人が「実はこの前、こんなことがあってね…」と、少し深刻な悩みを切り出したとき、あなたはどんな風に相づちをうっていますか。
「うん、それで?」とすぐに言葉で切り返す人、黙ったまま「うんうん」と何度も首をタテにふる人、それぞれのタイプがあります。多分、いずれのタイプも「あなたの話を一所懸命聴いていますよ」という気持ちを伝えたいための相づちだと思うのですが、「どんな相づちなら、気持ちを落ち着けて、ゆっくり話ができる」でしょうか。または、「どんな相づちなら、私の話を真剣に受け止めてくれているな」と感じるでしょうか。
これはカウンセリングの技術でも言われることですが、「あなたの話を、深いところで私はしっかり受け止めています」ということを、より強く伝えたい場合の相づちは、ゆっくりと深くうなづくのです。
安易に「わかる、わかる」と言って、首を何度もタテに振るよりも、何も言わなくても1回だけ、大きく深くゆっくりと首をタテにふればいいのです。これは形だけではありません。相手の話を頭でキャッチするのでなく、心の深いところで理解しようとしたとき、人は自然にゆっくりとうなづくものなのです。相手の話を言葉の上っ面で捉えて、よく聴きもせず、次に自分が話す言葉を考えている人のうなづき方はたいてい浅く、早く、その場の思いつきで言葉を返していたりすることが多いのです。
ゆっくりとうなづき、ゆっくりとした相づちを返すことができれば、相手は落ち着いて話をすることができます。たかが相づち、されど相づち。お試しください。