二月の「二」にちなんで「二礼二拍手一礼」の意
神社での正式な参拝「二礼二拍手一礼」のことを、小さい頃、祖母から「れいれい、パチパチ、れい」と教えてもらったことを今でも覚えています。でも、なぜそうなのかということは教えてもらえませんでした。
鳥居は「一の鳥居(一番外側にある鳥居)」からくぐります。このとき、軽く一礼します。参道は中央を歩かないようにします。道の真ん中は、神様の通り道だからです。
境内に入ったら手水舎(てみずや)で浄めをします。右手に柄杓をとって左手にかけます。次に右手にもかけます。そして左手に水を取り、口をすすぎます。
お浄めをしたら、心を落ち着かせて神前に向かいます。本殿の前に立ち、軽く一礼。鈴があるなら賽銭箱に賽銭を入れる前に鳴らしましょう。鈴を鳴らすのは、神様への合図のようなものです。それから拝礼です。この拝礼の基本の作法が「二礼二拍手一礼」です。「二拝二拍手一拝」という場合もあります。いずれにせよ、まずは、二回深くお辞儀をしてから柏手を二度打ちます。
なぜ二回なのか。それは陰と陽の二対を表すとともに、古代中国より尊いとされてきた奇数ではなく、二という偶数を用いることで、神々ではなく人間が祈りに着たことを伝えるためだと言われています。
また古来、神に捧げる食事はカシワの葉を編んだ食器を用い、神々に食事を捧げる合図として二拍の手打ちを行いました。そのように、二は神に願いを捧げる合図であったため、二礼二拍手するようになったともいいます。
お願いをするときは、拍手のあとにするのが一般的なようですが、神様にお願い事などするものではなく、「どうかお導きください」とへりくだるのが本来の参拝だと言われています。拝礼が済んだら、本殿から立ち去る前にもう一度軽く一礼(「二礼二拍手一礼」)をすると、参拝はすべて終了したことになります。(日本人 数のしきたり 飯倉晴武編著)