F&Aレポート

マスク時代にみる、その進化と常識の変化

マスク時代にみる、その進化と常識の変化

 コロナ感染の拡大に伴い「ニューノーマル」として、「マスク着用」が叫ばれたのが遠い昔のことのように思えるほど、今や私たちの生活にすっかり定着したマスク。

 マスクの進化も進み、常識も変化しています。コロナ感染初期のマスクが手に入りにくい時分なら、布、ウレタン、不織布など、マスクならなんでもいいとされる風潮がありましたが、現在は一般的には「不織布が良い」とされています。または、布製と不織布の重ね付けを推奨する人もいます。

 ある専門機関による研究では、不織布は咳やくしゃみで吐き出された飛沫を80%程度軽減し、空中に浮遊する飛沫の吸い込み量を70%軽減すると言われています。

 一方で、布製マスクは、咳やくしゃみで吐き出された飛沫を80%程度軽減するのは不織布と変わりないのですが、空中に浮遊する飛沫の吸い込み量の効果は50%にも達しないと言われています。そのため、布製マスクは「身を守る」よりも、「周囲の人を守る」マスクといえるようです。

 不織布と布製の重ね付けついては、研究機関のちがいによってデータが分かれているため、はっきりとその効果のちがいについては述べられていないようです。(アメリカの疾病予防管理センターの報告では、咳からの粒子を92%遮断できたとされていますが、日本のスーパーコンピューター『富岳』では、二重マスクと不織布一枚のはっきりとした違いが示されなかったといいます)

 いずれにしても、鼻や顎にフィットさせ隙間なく着用することが大前提となっています。

 おしゃれに敏感な人には、顔色に合わせたマスクや、小顔に見えるマスクなども気になるところでしょう。今は、安価で機能的なマスクが多く出回っています。「最近の楽しみはマスク選び」という人も見かけます。「マスクをしない」ことが新常識になる日まで?私たちは、もうしばらくマスクとともに生活していきたいものです。