わかりにくい=面白くない「話しことば」 話しことばは、文章よりわかりやすく人に感銘を与えるものである 福沢諭吉
■ 「演説とは英語にて”スピイチ”と言い、大勢の人を会して説を述べ、席上にて我思うところを人に伝うるの法なり。文章にて記せばさまで意味なき事にても、言葉をもって述ぶればこれを了解すること易くして人を感ぜしむるものあり。福沢諭吉 学問のすすめ」
■ 明治初期、福沢諭吉がスピーチを日本で初めて紹介したとき、「欧米では人が集まれば日ごろの持論やその場の思いつきを述べる習慣がある、話しことばは、文章よりもわかりやすく人に感銘を与えるものである」と書いています。ところが、スピーチが日本に上陸して100年以上が経つ現在も、日本人の「スピーチ苦手意識」は根強く、話しことばになると文章よりもわかりにくいという人もいます。今回は、話をわかりにくくさせる、「あいまいことば」「漢語」「同音異義語」について特集します。
1.「あいまいことば」を無意識のうちに使っていませんか?
「まあ、いちおう、こちらのほうなんですけど、とりあえず、さまざまありまして、、、」
会議の発表などで、言い訳やあいまいなことばを連発している人はいませんか?そんな人は、自信のなさや、やる気のなさがことばの端々に表れているように感じられます。
「この商品なんですけど、まあ、いちおう、特徴のほうなんですけど、デザインとかが変わっていまして、ふつうにオシャレな感じというか、値段のほうも少々お安くなっていたりして、けっこう注文とかいただいたりしていまして、、、」
文字にすると、ダラダラ話している感じがよくわかりますが、話している本人は気づかないのです。「この商品なんですけど」ではなく、「この商品の特徴は」と言い切れば、「○○です」と言いやすくなります。伝える情報を整理できていないため、あいまいな表現になるのです。以下のことばを禁句にするだけでも、すっきりとしたメッセージになります。