ボストーク松山藤原塾

政治について少し真面目に考えた

はじめに

高知県の1級河川である物部川で鮎が大量に死んでいるのが見つかりました。物部川では、7月以降の渇水や猛暑の影響で、川の水温が30℃を超える日が続いていました。渇水で川の水が流れず、水温が上がってしまったことが原因と考えられます。つまり,鮎の住んでいる川が人間にとっての温泉のような状態だったということです。

人間は暑ければエアコンが効いている部屋に避難することができます(サウナなら水風呂に入れます)が、自然界の生き物はそのようなわけにはいかず、最悪の事態に陥ってしまう。特定の原因による公害であれば改善の余地があります。しかしこれは少し事情が違います。間接的には人間による環境破壊,それが地球規模で起きていると考えられます。自然界の動植物が生存する環境がここまで悪化するということは、いずれ人類も住めない地球になってしまうということかもしれません。ホントにヤバい、です。

今週の愛媛

私はいつも松山市駅の近くを通って帰ります。半世紀ぶりの改修工事が9月末で終わり、10月3日、4日には完成式典とイベントが開催される予定です。JR松山駅開発の問題もありますが、松山市駅は一足先に整備を終えて新しい時代を迎えることになります。人口減を控えて、交通機能がどのように変化していくのか分かりませんが、今までとは違う形で地方都市のあり方を考えるべき時だと思います。

今週考えたこと

政治とはすべての人に関わる問題だから、仮にある党派が政権を取ったとしても、反対する党派のことも考慮して政治を行っていくのが当たり前だと私は思っていました。その政治について100%の人が賛同することはまず不可能ということは理解できます。しかし、今の政治は違うんですね。自分たちを支持する人だけのために、その人たちの利益になれば良いというのが今の政治のように感じます。だから相手陣営をSNSで誹謗中傷し、徹底的に罵倒することができる。そこに罪の意識はない(実際はその多くは犯罪につながる行為ですが)。そして、支持した人は満足できる。

やや極端な表現ですが、米国はじめ世界中の政治がそのような傾向を持ってきているのは明らかです。独裁国家だけでなく、民主主義国家と言われる国でもその傾向が強くなっているように思えます。

この政治についての勘違いは、財政問題についてもあると思うことがあります。高市政権が進めている消費税減税に対して批判的な意見は、減税するための財源がない、財政赤字を放置して良いのかというものです。私もこのことに触れてきました。しかし、それはもしかして違うのかもしれないと。その極端なケースが欧州です。欧州では、極右政党が勢いを増してきています。

その背景にある大きなものは、政治の現状に対して国民が抱いている強い不満です。なぜ国民は今の政治に対して不満を持つのだろう?と考えたのですが、そこにあるのは財政赤字、EUに共通する財政赤字を拡大しないための強力な規制です。EU加盟国は、今まで対GDP比に対する財政赤字を一定限度内にとどめることを要請されてきました。財政赤字を抑えるためには国の歳出を抑制することが必要です。国の歳出を抑制すれば、国民に回るお金が少なくなるわけですから、国民の不満は募ります。

もちろん、移民などの問題もあると思いますが、国民が政治の選択をする際にもっとも重視するのは、最終的には「お金」でしょう。日本には巨額の財政赤字がありますが、これは社会保障の他、景気刺激策で公共工事等の設備投資を積み上げていったものです。つまり、税金を使って国民にお金が回ったわけです。ですから、欧州ほど政治的な混乱はなかったのだと思われます。米国は、欧州や日本と比べると自由奔放に財政赤字を増やしてきたように感じます。その危機意識の裏返しがトランプ政権だったのかどうかは分かりません。金額が大きいだけに、この先どうなっていくのかという点が不安です。

そのように考えてくると、消費税減税により一時的ではあっても国民が幸せを感じる瞬間があるのであれば、政策としてはありかもしれません。もっともそれはつかの間のことですから、政治は先を見据えて、市場のことも気にかけながら、沈着冷静な財政設計を行う必要があります。

以上は私がいろいろな日経電子版などの記事などを読みながら思ったことで、統計等の正確な情報に裏付けられたものではありません。ただ、今の世の中を見ていて、そうだよなと納得してしまったので書いてみました。もちろん、今の状況が良いとは思いません。改善されるべきです。政治はより多くの人を幸せにすべきで、自由に意見が交わさせるべきで、意見が違う相手方のことも尊重されるべきです。

そのために政治家は真剣に努力すべきです。また、国民も自分と思考が違う人たちとしっかり意見を交わし、お互いを尊重すべきです。財政については、財政赤字が拡大する弊害は決して小さくありません。国債発行により金利は上がっていきますし、為替が自国通貨安となればインフレなどへの影響も計り知れません。財政赤字の縮小に向けての努力は当然行われるべきです。国民に受けるために歳入を無視して行われた財政支出は、結果的に国民生活を危うくすることになります。

常に一つの答えがあるほど、政治も経済も単純ではありません。国民の側から見ると、難しい問題を理解することも難しく、政治や行政といった専門家、テクノクラートに委ねざるを得ません。今までの経験から多くの国民は、政治は誰がやっても変わらないという不信感、無力感を持っていると思います。その意識を変えられるのかどうか。今年の秋は、米国の議員選挙、愛媛県内でも県知事選挙、松山市長選挙などが行われます。

頑なに一つの考え方に執着し、思い込むことがなく、広い視野で政治を見たいと思います。周りを見渡す余裕が必要です。

今週のAI

AIが数学の難問を解いたということにどのような意味があるのか、という記事です。AIという技術は大量の情報を素早く解析し、答えを出すことができます。だから人間はいらないといわれます。税理士という職業もいらないと言われてきました。AIを使って大量の法人の会計業務や給与計算などの事務を安い報酬で引き受ける税理士法人も出てきています。

確かに、技術的には可能なことだと理解できます。汗をかけというつもりもありませんし、AIは責任を取らないから使えないという部分だけでAIの技術を否定することもできないでしょう。しかし、人間が考え、悩み、そして閃く、それを分かち合うという部分にまでAIが入る混むことができるのだろうかという疑問もあります。

文章を書く、考える、本を読む、計算する、絵を描く、歌を歌う 人間としてその能力を伸ばすことは今後AIがやってくれるから不要なのでしょうか。AIがやってくれるから人間は何もしなくて良いというのではなく、AIにはかなわないけれど、でも自分で前に進む能力を身につけるための努力はすべきなのではないかと思います。そのような意味での転換点に私たちは立っています。変化があまりに激しいので、理解するのも大変ですが、AIに対しては実に大切な時期に来ています。

おわりに

Appleから折りたたみ式のiPhoneが発売されました。技術面以上にその値段が36万円~ということが話題になっています。もうこの価格になると、携帯電話ではありません。高級なパソコンです。高くなってしまった原因の一つは半導体価格の上昇によるものです。半導体は従来のパソコンやスマートフォン、家電製品だけでなく、AIデータセンター、軍事など限りなく多方面に使われています。それだけ高度な機能を持っていると言えばそうなのですが、今スマホに入れてるアプリもすべて使うのは難しいくらいたくさんあります。反面、PayPayなどの決済手段やマイナンバーカードの持つ身分保障機能など、スマホがない生活は考えられないという人も多いと思います。iPhoneが販売されたのは、2007年6月です。その前のフィーチャーフォンと言われるガラケーが発売されたのは2000年頃です。この掌に載るツール類も30年近くが経過し、転換点を迎えているかもしれません。


この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。