季節の話題
今日は6月30日(火)。1年のちょうど半分が終わりました。あっという間です。あっという間、時間は止まらない、川が流れるように時は流れる、祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり、です。美輪明宏が亡くなり、ワールドカップで日本がブラジルに惜敗し、沖縄で梅雨が明ける。どれも一瞬の出来事です。終われば次が始まる。それぞれの人がそれぞれの時間を感じていると考えさせられる1週間でした。
日経電子版を見ていると、ニュースがどんどん流れていきます。経済の話、金融の話、政治の話、ITの話、外交の話・・・同じ内容でも更新され、記事の本文以外にコメントも付きます。他にも同じようなニュースサイトがあります。ニュースが流れていると言うことは世の中が動いていること、時間が流れていると言うことです。その一瞬一瞬の積み重ねが今であり、次の瞬間です。だから「あっという間」なんですね。
今週の愛媛
少子化のニュースが続いたので、ちょっと別の角度から。八幡浜の梅美人酒造が、ハーブや果皮、スパイスといった「ボタニカル」を厳選した洋酒造りに学生と挑戦しているという記事です。ボタニカル(Botanical)とは、「植物の」「植物由来の」「植物学の」という意味を持つ英語です。私は初めて聞いたのですが、コスメやファッション、インテリアなど幅広い分野で、植物の持つ力や恵みを暮らしに取り入れるということで、ライフスタイルやデザイン全般を指す言葉として定着してきているようです。似た言葉にオーガニックという言葉があります。こちらは「有機栽培」を指し、化学肥料や農薬を一定基準以上使わずに育てられた原材料を使い、厳しい認証をクリアしたものを指します。オーガニックの方は体系的、ボタルニカの方は人の生き方につながる奥深さみたいなものを感じます。さて、どんなお酒ができるのでしょうか。
今週考えたこと
自衛隊は国を守る組織ですが、USBメモリの取扱には少し甘かったようです。能登半島地震の際に起きたようですから、災害対応が優先で思わずウィルスのチェックを怠ってしまったのかもしれません。私はUSBメモリは極力使わないようにしていますが、データのやり取りのためにどうしても必要な場合があります。その時には十分注意を払って取り扱わなければいけないということです。このようなセキュリティの問題が出てきたときによく言われるのは、規則の遵守を徹底するといった精神論的なものになることが多い。実際、尾崎官房副長官は記者会見でこの趣旨の発言をしています。確かに規則の遵守は大切なことなのですが、それよりも考えるべきことは、まずUSBメモリを使っても良いと判断してしまったセキュリティに対する理解の問題があります。次に、USBメモリを使わなければいけなかったシステム環境の問題です。前者は、セキュリティを維持するためにどのようなことに気をつけなければいけないのか、システム上どのような問題が起きるのかということを関係者に教育する必要があります。危ないメールを開いてしまったばかりに、会社の基幹システムが乗っ取られるケースです。後者は、USBメモリを使わず、安全にデータがやり取りできる環境を構築する必要があります。自衛隊に限らず、行政全体のデジタル化は世界的に見て遅れていると思われます。IT化というと、新しいシステムを入れることが注目されますが、セキュリティに対する比重はだいぶ高くなってきているように思われます。
世論調査について
消費税率引き下げ賛成が半数という世論調査の調査結果が出ていました。上げるか?下げるか?どちらを選ぶ?という二者択一なら、下げてほしいというのが自然です。社会保障費上げるけど消費税は下がったほうが良いか?とか、今後の日本の財政並びに進行している円安の問題を念頭において消費税はどうあるべきか?なんて複雑な質問はできません。この結果だけを見て、消費税を下げるのがベストだと判断するのは危険だと思います。世論調査はあくまでも世論調査であり、政策決定に直接つなげる必要はありません。連日の報道を見ていると、財界・実業界や学術関係などからの声は、大半が引き下げ反対です。これは私の感覚ですが、ここまで反対が拡がるのも珍しいのではないかと思います。通常なら、引き下げ賛成、やむを得ずなんて意見もあるのですが、そのような意見はあまり聞かれません。難しいことは言われても分からないと思われる方もいるかもしれません。しかし、引き下げ反対の主張の多くは、日本の今後の財政問題など将来を心配して発信してるものです。最終的には政治の世界で決めることになりますが、気になるのは、政治の責任者からの回答がない、反対論に対する意見が見えてこないことです。「反対の意見があるが、それについてはこのように考える」となれば、議論が進むのですが、それがありません。見えないところで将来の日本にとって大事な方向性が決まってしまう。危険なことだと思います。
庄司薫について
芥川賞作家の庄司薫さんが亡くなりました。亡くなったのは今年の4月5日、奥様だった中村紘子さんの公式Webサイトから発表されたそうです。中村紘子さんも2016年に亡くなっていますが、一般社団法人として活動が続いているようです。庄司薫と言えば、「赤頭巾ちゃん気をつけて」が代表作で、1969年に芥川賞を受賞しました。この本、高校時代の私の愛読書でした。「酒井の文章は庄司薫とそっくりだな」と友人から言われるくらい、感化されやすい私の文体は庄司薫風でした。今はその面影はないのだけれど。訃報を聞いて、AmazonKindleにダウンロード、久しぶりにこの作品を読み直しました。土日の2日間で一気に。世の中的には、美輪明宏の方が大きく取り上げられていますが、私にとっては庄司薫の方が大きいニュースでした(美輪明宏もすごい人です)。
この本の主人公である薫くんは、都立日比谷高校3年生。東大を受験する予定だったところ、学生運動のために東大入試が中止になってどうしようか、自分の人生考えてという話です。ちなみに、日比谷高校は当時東大入学者数でトップを争う高校、つまり超エリート校でした。しかし、エリアによって通う高校が決まる学校群制度が始まり、薫くん世代が超エリート校最後の世代となります。私が大学に入ったのは1977年ですが、東大入学者数が多かったのは灘の他、麻布、開成、ラサールといったところでした。東大落ちた人たちの中には慶應に来る人も多く、私の周りにもそのような学校出身の友人がたくさんいます。日比谷高校出身者はいなかったと思います。
なぜこの作品に惹かれてしまったのかですが、まず同じ受験生だったこと(作品中の芸術派 小林さんは私の先輩になります)、文体がかっこ良かったこと、そして東京に憧れたことです(彼の自宅は山手線の駅の近くという設定です)。作品の後半に銀座にあった旭屋書店が出てきます(2008年に閉店)。私の学生時代の通学路にも旭山書店の渋谷店がありました。ドル円が39年半前の162円台に戻ったという話がありますが、私の中の庄司薫はそれよりも少し前の話でした。
今週のAI
AIはすばらしい技術です。どんどん取り入れていって国のレベルを上げなければいけないと考えてる人も多いと思います。会社が生産性と上げるために利用するというのは理解できますが、教育の現場にどのように取り入れるかというのはまた別の問題がありそうです。教員が現場を管理したり、情報を整理するためにしようするというのは分かります。しかし、考えることが求められる子どもたちがAIをどのように使えば良いか。考えることをAIに託してしまい、自分たちが考えることができなくなってしまうというのは問題でしょう。このあたりの問題点はすでに指摘されていますが、ノルウェーの選択は日本の教育界でも参考にすべきだと思います。
消費税のことも、円安のことも、庄司薫のことも、イラン情勢も、ウクライナも、皇室のことも、みんなみんな一瞬の出来事です。一瞬にして流れていきます。ゆく川の流れも、相場の流れも、無常です。なんてことを考える1週間でした。
※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。

