ボストーク松山藤原塾

ひな祭りですが

【季節の話題】

3月に入りました。この時期、事務所に置いてあるドラセナ(幸福の木)が花をつけて良い香りがします。実は、数年に一度と言われているのですが、うちのドラセナはほぼ毎年です。事務所開設のお祝いでいただいたもので、なんと35年。見るからに高齢の樹なのですが、確定申告で疲れた身体に今年も頑張ってねと言ってくれてるようで本当にありがたいです。

【今週考えたこと】

久々に地元ネタです。松山市の隣東温市に計画されているコストコ、岡山から四国4県の県庁所在地を結ぶ四国新幹線、JR松山駅近隣のアリーナ。経営者団体は強く推進に向けて活動していますが、果たして本当に必要なのでしょうか?コストコで売ってるものは量が多いから、珍しいものはあるけど、家族が少なければそんなにいらないでしょ。人件費が上がって周りの事業所は大変そうだし。在来線でも人が乗っていないし、ますます人口減少で乗る人が少ないのだから、採算は取れないし、在来線の本数が減る方が地元の人には不便極まりない。アリーナの建築費は相当高いし、ライバルも多いから今さら建ててもねえ。四国を元気にするためには、どの施設も大事という声もあります。もちろん、何もしなくて良いとも思えません。人が生きていく以上、投資を行うことは必要です。では無駄のない本当に必要な投資とは何なのか?です。さて、皆さんのご意見はいかがでしょうか。

この週末はとんでもないニュースが飛び込んできました。イスラエルと米国がイランに対して攻撃を開始し、イランの最高指導者ハメネイ師とその側近が殺害されました。近隣の中東諸国を巻き込み、これからどのような展開になるのか、石油の供給が制限されれば経済にどのような影響を与えるのかなどなど、状況によっては世界中が大混乱になる可能性があります。

【今週のAI】

AIを使って確定申告しようとするシステムが出てきました。AIのことが分かれば、何ができるのかと言うことについてはある程度想像できます。税理士よりも安い、気を遣わない、いつでもどこでも使える(深夜でもお休みの日でも)、そもそも税理士を探すのが大変、ということを考えればAIでも良いかなと思いますよね。税理士に確定申告を依頼する場合と比較して、どう考えるか?

確定申告をAIに頼んだらどうなるか?税理士の目線で考えてみました。AIがどこまでできるか?責任はどうなるか?ちょっと具体的に考えてみましょう。今年の所得税は去年より増えてる!という場合。増えた理由くらいならAIでも対応できます。では、来年から減らすにはどうすれば良い? これもある程度AIからの返答があるでしょう。こんな税制で良いのか? う〜んできなくもないか。ここで注意したいのは、AIは資料をまとめる、計算をする、それを説明することはできます。こちらの話を聞きながら調整することもできます。しかし、税金の答えは一つではありません。様々な条件を図りながら、経費にするかどうかを考える必要があります。

AIを信じて良いのか?という問題もあります。AIはサラッと嘘をつきます。そこを指摘すると、「そうなんです」と何もなかったかのような対応をします。

最後の選択は自分で決めなければいけません。AIはそこまで寄り添ってはくれないのです。そもそも計算や税法の適用はAIがやってくれるとして、肝心の本人が税法のことを分かっていなくても良いの?という問題があります。そこが分からないと、自分がどのような状況か分かりませんね。AIが出してくる説明を読んで理解できるかどうかです。

面倒だな、全部AIに任せてしまえば良いじゃん、と思いますか?その選択肢がないわけではありません。それがAIにおける自立型システムの考え方です。ここで起きる問題。もしAIの判断が間違っていたらどうするか?です。この問題があるので、AIは責任を負いませんし、だから最後は人間の判断に委ねられる仕組みになっているのです。AIと倫理の関係です。

先週から米国防省とアンソロピックとの間で問題になったのがここです。アンソロピック社はClaude(クロード)というAIツールを作っています。米国防省はClaudeを採用していたのですが、(分かりやすく言えば)自由にAIを使いたいと考えました。AIを使って国内で発信されるメールやSNS、ブログ等の様々な情報を集積して国民を監視するシステム、AIが自分の判断で標的を攻撃する兵器=自律型致死兵器システムなどを作りたいのです。しかし、アンソロピックにはそのような目的でAIを使用しないという利用規約があり、これに応じることができないと主張しました。その結果交渉が決裂し、米国防長官は米軍だけでなく米軍の取引業者に対してもアンソロピックのシステムを使うことを禁じると表明しました。取引業者にはAmazon.comやMicrosoftが含まれますので、会社への影響は甚大なものです。もしそうなれば、AIの判断で人を殺してしまうSFの世界が現実のものになってしまいます。税金くらいならAIが間違っても任せた自分が悪いと言えるけど、人を殺しちゃったらどうなりますか?それでも仕方ないと言えますか?私たちは果たしてそのような世界を望むのかどうか、AIの技術は現実のものとして考えなければいけないレベルにまでなってきています。

確定申告が終わったら、AIと倫理の問題について考えてみます。AIの進化で便利になるのは悪いことではありません。また、税理士の仕事がAIによってすべて代替されるとも思えません。それはどのような意味なのか、これから考えてみたいと思います。


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。