皆さん こんにちは
海外のポッドキャストを見ていると、落ち葉やコート姿で秋の空気満載です。しかし、日本では半袖半パンの人をよく見かけて、まだ夏の空気があちこちに残っています。秋はいつ来るのでしょう?
今週は良いニュースと悪いニュースがあります、どちらから聞きたいですか?
米国風の丁寧な英語で言うとこんな感じ。
I’m afraid there’s both good news and bad news to share. Which would you prefer to hear first?
もったいぶらずに良いニュースから、です。
今週日曜日はゴルフとバスケットに熱狂した愛媛県民も多いのではないでしょうか。ゴルフは、松山市出身の河本結が、静岡県東名カントリークラブで開催されたスタンレー・レディースホンダで今シーズン2度目の優勝を飾りました。
バスケットは、Bリーグ2部に所属する愛媛オレンジバイキングス(バイクス)が静岡に競り勝って3連勝を飾りました。前期のバイクスは5勝55敗で最下位でしたが(ホントによく負けました)、以前の記事でお伝えしたように、サイボウズの青野社長がオーナーとなり、強力なてこ入れが行われシーズン前から何かありそうな空気でした。チームの活躍で、議論ばかり先に立って実現が前に進まないアリーナ建設問題が逆に目立つようになってしまいます。サッカーJリーグ2部のFC今治と愛媛FCの違いともよく似ています。元日本代表監督だった岡田武史氏が作った個性豊かでリーグ上位につける今治と、県内の有力企業をスポンサーにしながら最下位、来季はJ3転落の可能性が高い愛媛。
冴えない方のアリーナと愛媛FC の共通点は、官僚的なところです。時間をかけて様々な情報を整理しながら進める官僚的な考え方もすべて悪いと決めつけることはできません。が、状況に応じて思い切った決断が必要な時もあります。
それができるかどうか、です。バイクスがここまで変化したのは、今年5月のシーズン終了から10月の開幕までのたった4ヵ月。愛媛のチームだから弱いのではなく、工夫や思い切りが足りないだけなのかも?ということを思い知らされました。衰退する地方そして日本全体の活性化を考える時に、この2つのケースはとても参考になります。ただし精神論だけで勝てるわけではないので、そこはよく注意して、です。
もう一つ、日本全体のよいニュースは、今年のノーベル生理学・医学賞を坂口志史氏が、同化学賞を喜多川進氏が受賞したことです。国内では基礎研究にお金をかけることを軽視する傾向がありましたが、それを見直すきっかけになれば良いと思います。もう一つ思ったのは、受賞に対するインタビューでお二人とも関西弁でそして笑顔で受け答えされていたことです。自分のことを思い起こすと、苦み走った顔をすることが多いなあと反省しました。
では、悪いニュースとは?
良いこと悪いことといった分類は難しいですが、先週の高市氏総裁就任に少し触れた自公連立政権の破談が現実のものになったことです。四国4県の中で首相を輩出していない愛媛県民としては頑張ってほしいところでもありますが、国会の中では今までない混乱が起きています。この混乱は政治だけでなく、財政や経済面にも強く影響していることから、早く改善されることを祈ります。
もう一つの悪いニュースは、アサヒビールがサイバー攻撃を受け、受注や出荷ができない状態になっているというものです。同社のシステムがウイルスの感染したのは9月29日、身代金要求型のランサムウエアによるものと見られます。10月7日にはQilin(キリン)を名乗るグループから犯行声明が出ました。なんか、キリンというとあの「麒麟ビール」ですが、全然違いますね。詳細は今なお不明です。ランサムウエアとはメールに添付されたウィルスやVPN経由で社内システムに侵入するもので、その結果、社内システムが暗号化=ロックされて使用できなくなり、内部の情報が流出してしまいます。VPNの説明は難しいのですが、通常のインターネット上に仮想的にトンネルを作るシステムです。米国にいると、日本のネットワークで流される情報(例えば日本版のAmazonなど)を見ることはできませんが、VPNを通して日本にいるかのようにして入ると、見ることができます。この仮想空間のシステムが便利なのですが、自社回線でない分、情報漏洩のリスクが出てきます。
ウィルスによるロックを解除するためには高額の身代金が要求されます(ランサムとは身代金という意味です)。身代金を払っても解除のためのパスワードが通知されないケースもあり、そもそも犯罪組織に資金が渡ることはコーポレートガバナンス上問題になるので、アサヒビールのような企業であれば送金すること自体認められません。その結果、居酒屋では生ビールのサーバーが調達できず、急遽他社に切り替えるなどの大混乱が起きています。現在の企業活動は様々な部分でシステム化されており、並行してセキュリティへの対策は入念に行っているはずです。しかし、社員の1人が受け取ったウィルス付きのメールを間違って開くだけでこのような自体になってしまう可能性があります(アサヒビールがどうなのかは分かりません)。この問題は、ビールが飲めないというだけではなく、企業のセキュリティ、持続可能性として考えるべきものです。中小企業でも今回の事件をきっかけにセキュリティについて考えるべきです。
【今週のAIネタ】
コンピュータにおけるOS(オペレーションシステム)といえば、マイクロソフト社のWindowsやアップル社のMacOSが代表的なものですが、ChatGPTを開発するOpenAI社はChatGPTをOSとして機能する開発を進めているとのことです。これだけでは何のことか分からない方もいらっしゃるかもしれません。別の言い方をすると、パーソナルコンピュータやスマートフォンと同じレベルにChatGPTが機能するようになるということであり、新しい端末ができるかもしれません。iPhoneなどのデザインを手がけた元Appleのジョニー・アイブ氏が中心メンバーとなっています。AI開発のスピードを考えると、その日は決して遠くないかもしれません。市場ではAIバブルが崩壊するかもと言われていますが、一時の混乱など乗り越えて、新しいシステムができるのは楽しみです。
せっかく気温が高い日が続くなら、難しいことなど考えないで、安心して美味しいビールが飲みたいですね。
この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。