ボストーク松山藤原塾

カレーを食べよう!

皆さん こんにちは

【季節の話題】
昨日今日と暖かい気候が続いていましたが、明日からは一転寒波到来との予報です。暖かくして過ごしましょう。

先週、「あっという間に」1年が終わるという話を書きました。なぜ多くの人があっという間と感じるのか考えてみました。

  1. 歳をとった10歳にとっての1年は1/10ですが、60歳には1/60です。1年の重みが違います。
  2. 忙しい現役時代もそうですが、リタイアしても結構やることはあって忙しいと言われます。
  3. 休み=連休が多い振替休日の関係で月曜日休みの日が多く、週5日ではなく4日で終わることが多くなりました。2025年だと祝日と振替休日合わせて9週が月曜休みでした。
  4. 情報が早くなり量も増えた次のデジタル化とも関連しますが、慌ただしく仕事をしたり生活をしているような気がします。テレビやラジオ、新聞は発信する側が決めた時間に情報が流れてきてそれを受け止めますが、今はスマホに秒単位で情報が送られてきます。情報はこちらから取りに行くものに変わりました。待っていられないから情報が早く手に入る分、忙しく感じるのかもしれません。
  5. デジタル化アナログ時代は手書きでゆっくり時間が流れていました。手紙を書くとなると、書いて投函して、配達されたものを受け取って読む。数日かかっていた情報交換を利用する人は激減しました。営業回りしながら喫茶店に入ったり映画を観たりすることもできていましたが、今はGPS機能もあったりしてしっかり補足されます。海外にいても、事務所の中にいるかのようなやり取りが可能です。場所と時間を選ばず、画像や動画といった大容量の情報も一瞬で送れてしまいます。
  6. 覚えてない=ボケたさて、皆さんがあっという間だったと感じる背景はどのようなものでしょうか。

お客様向けのレターにも書いたのですが、あっという間と感じてしまうことは感覚ですから仕方ありません。そこで終わってしまうのではなく、年の区切りに来たのだから、少しボーッとして、今年を振り返ってみること、来年のことを考えてみることができたら良いですね。うまく行かなかったこともあると思いますが、それはそれで良し。自分の人生です。気持ちを入れ替えて、新しい年を迎える準備をしましょう。

【今週考えたこと!】
日経電子版を見てたらこんな記事を見つけました。2025年12月2日 11:00「カレーライス物価」1皿460円に上昇 10月、帝国データバンク試算 「カレーライス物価」1皿460円に上昇 10月、帝国データバンク試算 – 日本経済新聞帝国データのサイトに行くと、ホントにこんなレポートが出ています。

ニンジン、ジャガイモやお米などの材料と使用する電気ガス等の消費をその時点の物価指数から集計したものです。なお、洗浄にかかる水量は考慮されていません(細かいがリアル!)。指数そのものは、2020年平均を100として計算し、2025年9月時点では160。この5年間でカレー作成コストは6割アップしたことになります。前年同月比では+20.3=2割アップとなるそうです。今後の動向としては、コメ価格の上昇、タマネギなどの野菜も値下がり要因が乏しく、再び上昇傾向が続くと書かれていました。CPI消費者物価指数と言われても漠然としますが、カレーの価格という発想はとてもリアルです。

高市内閣が成立して、具体的な政策が動き始めました。先週28日には一般会計の総額18兆3034億円の補正予算が閣議決定されました。首相は、「責任ある積極財政」を掲げて、規模を追っただけではないことを主張していますが、市場はそのようには見ていないようです。

考えられる課題に触れる前に、補正予算について調べました。補正予算は財政法という法律に規定されています。
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財政法第二十九条 内閣は、次に掲げる場合に限り、予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。一 法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出(当該年度において国庫内の移換えにとどまるものを含む。)又は債務の負担を行なうため必要な予算の追加を行なう場合二 予算作成後に生じた事由に基づいて、予算に追加以外の変更を加える場合────────────────────────────────
補正予算を組むのはすっかり慣例のようになってしまっていますが、制度上は限定的な取扱になっているんですね。今回の予算の内容を見ても、来年の通常国会で審議される来年度予算に盛り込んでも良いのではないかと思われるものが多く含まれています。政治的には内閣も刷新されて自分たちのカラーを出したいという意味もあるのかもしれませんが、前年春から各省庁で議論され時間をかけて作成される本予算に比べると、補正予算での検討時間はわずかです。東日本大震災のような緊急事態であれば必要性はありますが、今の日本経済が同レベルの緊急事態に陥っているとは思えません。

ここで気になるのは、金利と為替の動向です。国内の金利情勢は上昇基調にありますが、円安が反転する様子はありません。一般的な経済原理からすると、お金は金利の高い方に流れます。つまり、日本の金利が上がれば円にお金が流れ、円高になると考えられます。しかし、その原理通りに市場が動いてません。その理由として考えられるのは、金利が高くても日本のことが信頼されていない、投資しても回収できない可能性がある、まだまだ金利が上がると市場関係者は読んでいるということになります。円安が収まらなければ、カレー指数に見られるように、物価上昇もまだ続くと見た方が良さそうです。日本経済の各種指標や政治状況を見ると、政府がいつも言うように、今はまだ危機的状況ではありません。しかし、今回のような補正予算のような財政に甘い政策が継続すると、何らかの要因で市場がコントロールできないくらい揺れ動く可能性があります。市場関係者のコメントを読むとその緊張感が伝わってきます。その緊張感が政界に伝わっているのかどうかは不明です。

政治的には、まだお祝い相場的な支持率などが報道されています。しかし、市場経済に感情はありません。流されることなく、冷静に見ていかなければならない厳しいところに私たちはすでにきていると思われます。

【今週のAIネタ】
AI技術について、Googleの評判が良くなってきて、ChatGPTを運営するOpenAIの優位性が揺らいできていると言われています。Googleは自社独自の半導体も開発しており、総合的にAI開発を展開できる強味があるようです。企業規模もGoogleの強さは圧倒的ですから、強力に開発を進めていると思われます。しかし、私たちが使うAIについては、まだハッキリした違いがあるわけではないので、GoogleであれChatGPTであれ、Perplexityその他のシステムであっても、まずは使い方に慣れていくことだと思います。財政ネタが続きました。今週は日中関係について書きたかったのですが、マーケットの動きを見ていて気になる方を書いてみました。重たい話題でしたが、美味しいカレーを食べて元気になりましょう!


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。