今月の税務(主なものだけ掲載しています)
- 8月決算法人の法人税・消費税等の確定申告
- 2月決算法人の法人税・消費税等の中間申告
- 個人住⺠税の第3期分の納付(期限:条例の定める日)
今年の年末調整について
令和7(2025)年分の年末調整については、基礎控除、給与所得控除が見直されているほか、年齢19歳以上23歳未満の親族について「特定扶養親族特別控除」が新設されています。また、通勤手当に対する所得税の非課税金額も引き上げられる見込みです。国税庁も例年より早く9月から情報提供を行っています。社内での準備もお早めに進めていただくようにお願いいたします。なお、不明な点等がございましたら、事務所までお知らせ下さい。
10月に入り、今年も残り3ヵ月を切ってしまいました。いつもの10月なら秋が深まり始める時ですが、今年はやっと夏が終わるかなという感じです。夏の暑さに耐えてきた身体、その疲れを癒やしつつ、冬の寒さに備えていきましょう。
「今月の税務」で触れた年末調整ですが、今年に限り、通常の給与計算では昨年の制度に基づく計算を行い、年末調整で改正された新しい制度による税額計算を行うことになります。新しい制度は控除額の引き上げなどで、国全体として所得税1兆2,040億円程度の減収が想定されています。国の減収=納税者には減税となる仕組みですから、今年の還付金は例年より少し多いかもしれません。
ただし、住⺠税については減税幅も少ない(全体として750億円程度の減収)ので、この違いに注意が必要です。200万円程度の給与収入の方(単身者)についてみると、所得税の非課税ラインは103万円→160万円と大きく伸びましたが、住⺠税の非課税ラインは100万円→110万円になった程度です。所得税は大きく減ったけど来年通知される住⺠税はあまり変わらないということがあるかもしれません。
今年創設された特定扶養親族控除とは、基本的に、アルバイトをしている大学生や専門学校生の子どもを想定しています。従来はアルバイトの収入が103万円を超えてしまって、後で税務署から指摘され、扶養控除の是正を求められるケースがよくありました(令和7年から103万円は123万円に増額されています)。新しい制度は、子どものアルバイト収入が増えて扶養控除を受けることができなくなった場合でも、一定の給料までは控除が復活する制度です。具体的には最大188万円以下となる場合まで対象となります。控除金額は最大63万円で、給与収入が増えると減っていきます(最低の控除金額は3万円です)。配偶者にも配偶者特別控除というほぼ同じ内容の制度があります。
今回の改正について思うことです。
- 制度がどんどん複雑になっています。上記の説明でも理解するのは大変だと思いますし、基礎控除には2年間の時限措置などもあります。
- 配偶者特別控除、特定扶養親族控除はその年の給与金額が分からないと計算できません。理屈は分かっても数字が出ないと計算ができないことになります。
- 前回の定額減税もそうですが、減税を実感するときにはその創設者であった石破さんは総理でなくなっています。
- 与野党逆転した国会では引き続き税制が議論されます。もうこれ以上の複雑な制度は理解不能!です。
- せめて今年の還付金は楽しみにしておきましょう。