ボストーク松山藤原塾

153兆円!

皆さん こんにちは

【季節の話題】
今日は11月11日、ポッキーの日です。ここに来てやっと秋らしい天気が続いています。気候の話ではないのですが、先週、朝起きたらWi-Fiが繋がりません!。枕元に置いたスマホを見てニュースを確認するのが習慣なのですが、画面上にWi-Fiにつながらないというエラーメッセージが。さてはルーターが壊れたかと思い、リセットをかけるのですが回復しません。いろいろやってもダメ。焦る!少し放置していたら自然に回復しました。なんとネットを利用しているCATVのメンテナンスでした。電気がつかないのと同じレベルで、Wi-Fiも大切なライフラインです。これに関連するメールは見落としてはいけませんね。

【今週考えたこと!】
税理士の仕事の一つに税務署との折衝があります。税務署とトラブルになるケースの一つが役員に対する報酬の問題です。仕事の実績に見合わない役員報酬は経費性を否認されることがあります。テスラがイーロン・マスクへの報酬を最大1兆ドル=約153兆円付与することがテスラの株主総会で承認されました。さて、税務署は認めてくれるでしょうか?というレベルではないお話しです。

153兆円という金額にビックリしますが、これについては前提条件がつきます。

今後10年間成長し続けることを前提にまず、目標を達成すれば10年かけて段階的に支給されます。そして、すべて現金で支給されるわけではなく、基本的に株式で支給されるようです。日本でも特に上場企業の役員に対しては、株式で報酬が支払われることがあります。また、コンサルティングの成功報酬では、得た利益の10%というものはそれほどおかしい数字ではありません。例えば利益を1000万円出した会社の社長に100万円のボーナスを払うと考えれば、おかしくはありません。国内の報道は、このあたり誇張して書かれてるように感じます。

支給の条件については下記のようなものが12個設定されているようです。現在1.4兆ドルのテスラ社の時価総額を8.5兆ドルにすること。テスラ社の販売台数2000万台、ロボタクシー100万台の商業運用。テスラ社の販売台数は直近のデータに基づくと年間200万台だから10倍。ロボタクシーは今年6月に30台が運用開始しましたので、33千倍。ちなみに、Googleのウェイモは現在2000台が走っています。

時価総額は10倍ですから、会社の価値を10倍にするとその1割を渡すことになります。残り9割は株主のものと言うことになり、イーロンが一方的に得する取引ではないことが分かります。

報道にあるような150兆円といっても、実現可能性は決して高くありません。が、まったくないとも言えない。そこは冷静に見るとして、報酬を株で渡す、その金額が最高150兆円、それも1人に渡してしまうという発想ができるところが米国のパワーの源なのだと思います。それが良くも悪くも表に出てしまったのが、今の米国です。

【今週のAIネタ】
ワープロという機械をご存じでしょうか。1978年東芝が出した日本語ワードプロセッサJW-10で630万円しました。私も昔勤務していた税理士事務所にあって使っていました。英語はタイプライターがありますが、日本語は文字数が膨大なので、ワープロが出て初めて英文と同じキーボード入力が可能となりました。この頃よく言われたのが、「文字は手でかいてはじめて頭に入る、ワープロなんか使えばバカになるぞ」でした。その後、パソコン、インターネットが普及します。いろんなサイトができましたが、そこへ行くためには、URLを直接叩くことから始まりました。あるサイトに行くと、いろいろなサイトにリンクが貼ってあるので、URLを叩かなくても興味がありそうなところに簡単にいくことができるようになりました。ネットサーフィンなんて言われたのがこの頃です。

その後、Yahoo!が人力でカテゴリー別にサイトをまとめ、インターネットの地図のようなものを作ります。そして1998年Googleが出てきます(日本では2000年から)。当時のYahoo!とGoogleの違いはYahoo!は人手を使ってインターネットを分類していましたが、Googleは確率論とグラフ理論という数学的モデルで構築されており、アルゴリズム=ロジックでインターネット全体を評価し、検索結果を出す機能でした。ここで言われたのが、「検索は自分で考えてやれ、Googleを頼るとバカになるぞ」でした。さて、Google検索が普及してバカは増えたでしょうか?

そして今、「AIなんて使うとバカになるぞ」です。ワープロを使い、Googleを使い、人はバカになったでしょうか?まったく問題がないわけではありませんが、もはやキーボードなしでも、Googleなしでも仕事はできませんね。AIについても、確かに考えずにChatGPTに聞いてしまうという傾向はありますが、書類や画像の作成、Excelデータのチェック、翻訳等々の本当に幅広い機能を持つAIは現段階ですでに仕事や生活に欠かせない存在になってきています。過去のメールでお知らせしたように、AI技術に問題がないとは言えませんが(むしろ問題は山積です)、新しい技術を使いこなしていくことは人間にとってとても大切なことです。


※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。