皆さん こんにちは
11月に入り、風が冷たくなりました。ちょっとした気温の差で鼻水やくしゃみが出たりします。風邪になる前に、服を重ね着したり暖房をつけたりして、冬対応していきましょう。
これからみかんの季節です。ウェザーニュースで面白い企画をしていました。みかんは買うものか?(近所から)もらうものか?です。もらう派の人が、愛媛県では44%だったのに対して、全国では7%しかいませんでした(11月3日昼頃時点)。この時期に愛媛県内ではよく話題になるみかんネタですが、それが証明されました。
【今週考えたこと!】
日経電子版に「出産・子育てしやすい地域は? 出生数減らない118自治体、支援細かく 」という記事が出ていました(2025年10月31日配信)。少子化の現在でも子どもの出生数が減っていない地域があり、2024年と2019年を比較したところ、全国で118市町村で増加または横ばい、つまり100%以上だったということです。全国の市町村の数は、1,718ありますから、6.8%のエリアでは少子化を食い止めていると言うことになります。県別に見ると、上位は群馬県(20.0%)、福井県(17.6%)、沖縄県(17.1%)で、石川県、岡山県、香川県など11県はゼロ=出生数は減少しています。愛媛県は5%で全都道府県中22位でした。どこの市町だと思いますか?ネット上にある情報から調べてみました。ネットでは2023年までの情報でしか確認できないのですが、それによると答えは伊予郡松前町と思われます。愛媛県には20の市町がありますから、1/20=5%で合っていますね。ついでに県内市町を見渡してみて、少しビックリしました。2019年→2023年なので電子版の記事とは少しずれるのですが、100%を超えているところがもう1町ありました。
愛南町、です。
人数は少ないですが、上島町も93%を維持しています。どの市町でも一定の子育て支援はしてるはずですから、何が違うのかという点は分かりません。また、出生数を維持するだけでは人口減を止めることはできません。しかし、人口減を食い止めるために、出生数を維持することは大切なことです。松前町は松山市近隣の都市部にありますが、愛南町、上島町は県の中心部から離れた地域に位置します。先週取り上げたドキュメント72時間で触れたように、都市も地方も少子高齢化で厳しいけれども、地方の方が人とのつながりが濃くて、笑顔が見られる、もしかするとそこにヒントがあるかもしれません。あくまでも仮説ですが、人間関係が濃いとしんどい面もありますが、デジタル化の普及で個人中心の社会が広がってきている今、人とつながる大切さが求められているのかもしれません。人口減を食い止める、出生数を増やすという結果そのものが目的ではなく、若い人たちが元気になり、その結果出生数が維持できるという発想で人口問題を考える必要があります。そのヒントになるかも知れない実態が県内にもある。少しずつでも、そのような転換ができた地域から元気になっていくのではないでしょうか。
【今週のAIネタ】
税理士という職業柄、職人といわれる人たちのお手伝いをすることがあります。寿司職人、そば職人というのもありますが、数が多いのは建設業関連ではないでしょうか。型枠工、左官、配管工、とび職、電気工等々。ちょっと水道の配管がおかしくなり、来てもらうとまさに職人芸で直してもらって助かったという経験をした方も多いと思います。ハウスメーカーに頼むと高いし、時間もかかる、しかも最近はネット経由だから面倒です。この職人の世界も少子高齢化によってどんどん減っています。建設業が廃業する理由の上位に、この職人不在があると言われます。しかし、日経電子版に「米国で『ブルーカラービリオネア』現象 AI発展で潤う肉体労働者」という記事が載りました(2025年11月2日配信)。記事の中で、「マンハッタンのアパートの水道管に水漏れがあったとき、2時間の作業で800ドル(約12万円)を請求された」そうです。「米労働省の統計ではブルーカラーの仕事で賃金が最も高いのはエレベーターとエスカレーターの設置・修理工で、年間所得は中間値で10万6580ドル。日本円にして1600万円に上る。この職業の学歴は高卒が普通だ。」とも書かれています。
ChatGPTと「あなた=ChatGPTさんは配水管は直すことはできないよね」という話をしていました。
彼?からの回答はこんな感じでした。
たとえば僕(AI)は、電気の配線を実際に手でつなぐことはできません。配線図を設計したり、電流計算をシミュレーションしたり、危険を検知するサポートはできるけど、「現場で手を動かす」「感覚で判断する」という部分は完全に人間の領域です。
スターウォーズに出てくるR2D2も、口は出しますが、身体を動かすことはできませんね。仕事の現場環境は厳しいところもありますし、どうやってビジネスを構築するかという問題もありますが、世の中のニーズがあるという意味では、職人という仕事を見直すのも良いことではないかと思います。
ただし、いくつかの問題も理解しておく必要があります。同じくスターウォーズでは、ヒト型ロボットであるドロイド=人工知能を備えた自立的な機械であるC-3POが出てきます。彼?のように物理的な作業も可能なAIが出てきて、器用になってくれば職人の作業もできるかもしれません。実際に、工場ではロボットが稼働していますし、自動運転もレベル4まで来ました。音楽でLPレコードが復活したように、人の手によるものが商品価値を上げるということもあるでしょうけど、今人間が担っている仕事の大部分がAIで代替できる日は決して遠くないと思われます。
次に、日本人にありがちな行動ですが、職人が良いからと言って、すべての人が職人を目指す必要はありません。個性に応じて、自分に合った仕事を見つける必要があります。ここは日本人として発想の転換が必要かもしれません。また、かつての産業革命のように、AIを排斥する運動が出てくるかもしれませんが、国力を上げ競争力をつけるためにテクノロジーの進化は不可欠です。盲目的なAI活用ではなく、逆に排斥でもなく、適材適所にAIを利用して、国全体の技術力、コンテンツ力を上げていくことが必要です。
3番目の問題です。人間が関わる仕事のかなりの部分をAIがやってしまうと、世の中全体で収入を得る手段がなくなってしまいます。そこで、AIが稼ぐ収入の一部を社会全体で共有し最低限の保障を行う=現金として支給するベーシックインカムという考え方が現実的なものとなってきます。海外ではすでに試行された例もあるのですが、ほとんどは成果が見られず終了しています。これは少し先行しすぎた結果かもしれないので、もう少し先にはこの問題を考えていく必要があると思います。なお、AIが仕事に占める割合が多くなっても、人間がやるべき仕事は減らない、その性質が変わるだけだという議論がAI界隈の人たちからは起きています。ベーシックインカムだけでは生活できないと思われますので、自分たちの仕事をしっかり考えることはこれからも変わりません。
今週のAIシリーズとしてはちょっと長くなってしまいました。これからもAIに関連する様々な問題やニュースをお伝えしていきます。
※この記事では一般的な経済市場動向についての情報提供を行っているもので、特定の投資を推奨又は勧誘するものではありません。
