6月。今年は夏が暑くなると言う予報が出ているようで、梅雨も蒸し暑くなるのではないかと想像されます。ヨーロッパでも、大雨になっているようですから、どんな事になるのか心配です。
先月は、サミットが日本で開催され、米国オバマ大統領は、広島を訪れました。サミットについて国内の報道を見ると、安倍政権に対して好意的な表現が多く見受けられますが、個人的には、世界経済というよりも、国内の消費税の税率引き上げを見送るための演出の場だったようにしか思えません。また、広島のオバマスピーチを読むと、日本と米国の政治家のセンスの違いを改めて認識してしまいます。国内だけの政治であれば、緩んでいても良いのでしょうが、政治は外交とつながるだけに、もう少しタフな政治家が日本でも生まれると良いなと思います。
さて、今月は、消費税の話しです。消費税の税率引き上げが見送られそうです。税金は少ない方が良いのですから、この対応が歓迎される可能性は低くないと思います。しかし、それだけで良いのでしょうか。今回はこの点について考えます。
まず、前回は選挙までして税率を引き上げ、さらに10%への引き上げを法定化していたのに、それをさらに改正してまでなぜ延期するのかの明確な説明がありません。米国の経済学者を呼んだり、サミットで説明をしたりしたとしても、庶民の感覚からして、8%引き上げ時と現在を比べて、景気がそれほど悪化している印象はありません。今の景気で引き上げができないのであれば、どのような時に引き上げるというのでしょうか。それほど景気改善が見込まれる根拠があるのでしょうか。あるとすれば、東京オリンピックですが、オリンピック開催前はともかく、開催後は不景気になる可能性が高く、タイミングが難しいと思われます。
次に、当然のことですが、2年半の間の財源をどうするのか。少子高齢化により、社会保障支出は、年々増額しており、放置できないはずですが、その点の説明がほとんどありません。
最後にインボイスの問題をどうするのか。インボイスは複数税率が前提の制度ですから、これも同様に延長するのか、予定通り導入するのか。事務面では消費税の考え方を根本から変えてしまう大変重要な制度改正ですから、この点の検討も必要です。
参議院選挙前ですので、あまり政治じみた話しはしたくないところですが、税理士として自然に疑問を思うところを書いてみました。皆さまはどのようにお考えでしょうか。