ボストーク松山藤原塾

慌てないこと

皆さん こんにちは

先週後半から気温がだいぶ下がってきました。お客さんと「やっと秋らしくなりましたね」と挨拶を交わす機会が増えました。ホントに皆さんホッとしてるんだと思います。

秋と言えば秋祭り(と勝手に振ります)。松山の秋祭りは10月5〜7日の日程です。自宅のある町内会では、それに合わせて9月第3日曜日に町内清掃を行いました。春と秋、年2回の恒例行事です。少しかがんで草を抜く作業がしんどいなと思えるようになってしまいました。そこで思うのは、町内会というコミュニティが成立しなくなりつつあると言うことです。先週の敬老の日関連の記事ですが、日本の65歳以上の高齢者は3619万人。総人口に占める割合は、29.4%と人口4000万人以上の国ではトップだそうです。愛媛県内の状況を見ると、松山市の割合は29.49%と全国平均値ですが、これが最も低い比率。県内の他の市町は全国平均をすべて上回っており、一番高いのが、久万高原町の51.02%です。久万高原町の人口の半分は65歳以上ということになります。高齢者はいずれ亡くなっていきますから、高齢者比率が下がると同時に人口減の波が押し寄せてくることになるでしょう。従来の形での町内会の維持はすでに困難であり、行政をどうするか早急に考えなければいけない段階にあると思います。

早急に考えると言えば、政治も同じです。自民党の総裁選が始まりました。現時点の国会で自民党は少数与党の状態です。緊迫する世界情勢、揺れ動く国内の状況を考えると、以前のような決められない国会が続くことが許される状態ではありません。今の日本に必要な最善の道を、国会の中で与野党が議論し、タイミング良く明快な答えを出していく必要があります。米国のような暴力的な混乱がないことは、私たちにとっては幸せなことです。国際的な視野で、オープンな議論が行われることが期待されます。

先日、車で通勤途中のやや狭い路上で離合している際に、ちょっとタイミングが合わず、左側のホイールを傷つけてしまいました。ホイールを傷つけることはよくあるので、通常なら放置するのですが、今回は空気を入れるタイヤのエアバルブを傷つけてしまったので、念のため交換することにしました。いつものことですが、あの時にじっと待っていれば良かったのにという後悔とともに自己嫌悪に陥ってしまいます。次の日にはすっかり忘れてしまっているのですけどね。

これに関連した?ニュースです。日産自動車が東京銀座でAIを使った新しい運転支援、つまり自動運転の技術を公開しました。YouTubeにも沢山の動画がありますので、ご覧になって下さい。自動運転といえばテスラが有名ですし、米国サンフランシスコから始まった自動運転のタクシーウェイモWaymoはGoogle傘下の企業です。これに対して、日産の自動運転技術は、ソフトバンクも出資している英国のウェイブ・テクノロジーズWayve Technologiesの技術を採用したもので、2024年春から開発を開始し、先日公開され、2027年には量産化される見込みとのことです。このスピード感が半端ありません。

AIが運転するという話で多くの方が思うのは、AIに任せてしまって大丈夫なの?怖くないの?ということです。しかし、車に搭載されたカメラは人間の目よりも正確であり、人間ではできない360度の視野が実現可能です。また、人間のように周囲の環境にイライラして感情的になってしまうこともありません。AIには、ドライバーの熟練した技術が埋め込まれていますから、プロのドライバー技術がそのまま活かされています。当然、法律に則って車を操作します。人間の運転だと、完全な違反ではないけれど微妙な判断で、エーイ行ってしまえ、ということなんてありますよね。そんな時に限って事故をするわけですが、AIではそれはありません。残されている課題があるとすれば、とっさの判断でハンドルを切るようなことができるか、ですが、人間であってもそんな時に必ず正確な運転ができるとは限りません。私の車にAIが登載されていれば、ホイールは傷つくことはなかったのに=AI搭載車が早く欲しい!と切実に思います。この技術が日常の運転で使えるようになると、車が生活に欠かせない地方の高齢者が運転免許証を返上する必要もなくなるかもしれません。

技術力という視点で見ると、日産がこの技術での開発をスタートさせて1年ちょっとで実用化の目処が立ったというスピード感はすごいところです。その背景には、ウェイブ・テクノロジーズのAI技術の99%をベースに、日産が1%の運転技術を埋め込むことで利用可能になったということがあります。AIの進化スピードが早いのは、AI本体の技術がすでに高度なレベルに達しており、それを運用する分野が広がってきているということでもあります。

AIの運用について、あるポッドキャストでの雑談でこんな話がありました。結婚や恋愛に疲れた人が、人間関係でしんどい思いをして、AIと会話しているうちに「これからの恋愛はもうAIで良いや」と普通に言っていたんだよねという内容です。「悪いときもあれば良いときもある、それが人間関係さ(だから強く生きなきゃ)」と言ってみたくなるのは、昭和の感覚です。そう言ってしまう前に、それだけ生活にAIが溶け込んでしまっている、深く入り込んでしまっているということに気が付くべきかもしれません。

ただし、AIは、本当の恋愛対象ではありません。当たり前の話ですが。AIをどう活かしていくかという問題は、技術の進化とともに人間に課せられたとても大きな問題です。AIの進化と同時に、人間もいろいろ考えていかなければいけませんね。

米国の俳優、監督であるロバート・レッドフォードが9月16日、89歳で亡くなりました。私が好きだった映画は、ウォーターゲート事件を題材にした1976年公開の「大統領の陰謀」です。その後も、「モンタナの風に吹かれて」のような家族を描く作品が多かったようです。今の米国にはない空気を感じさせてくれる俳優だったように思います。私にとっては青春の1ページ、あの頃あんな風になりたいなと思っていました(当然無理ですけど)。