「疑う」こと自体、日本ではマイナスのイメージがあります。しかし、フィンランドでは「疑う教育」に重点が置かれているといいます。
フィンランドは、メディアリテラシー教育の先進国として知られています。小学生の段階から、ニュースを解いたり、SNSの情報を検証したりする授業があります。
たとえば、ある情報が「信頼できるか」どうかを判断するために、次のようなスキルが教えられるのです。
- 情報源を調べる
- 他の情報と比較する
- 背後にある意図を考える
情報を鵜呑みにしない「批判的思考を育てる」=「疑う」教育が重視されているのです。
教科書や先生の言うことも「そのまま信じる」のではなく、「なぜ?」「本当か?」と、疑問を持つ力を育てることが推奨されています。
「信頼しつつ、鵜呑みにしない態度」を育てることは、フェイクニュースや陰謀論が問題になる現代社会で、ますます重要視されています。
教師たちは「正解を教える」のではなく、「どう考えるか」を導くスタイルで関わります。問いを投げかけたり、生徒にリサーチさせたりして、自分で考える力を引き出します。授業もグループディスカッションや探求型学習が多く取り入れられています。
また、間違いや異なる意見が歓迎される雰囲気もあり「なぜ違う考えが出たのか」を一緒に考える時間が設けられています。
「疑う」ことは「否定」ではなく、「理解を深めるための行為」として受け入れられているのです。ただ「従う」のではなく「一緒に考える」。
「正しく疑う力」「批判的思考」は、現代の私たちにこそ、求められる力ではないかと痛感しました。