高校生のキャリア教育をしていると、「夢は特にない」「自分の『強み』が、わからない」といった声を時々耳にします。まだ高校生なので、今から取り組めば、どんな夢だって叶いそうです。こちらからみると、羨ましいほどの可能性をたくさん秘めている彼ら彼女たちなのですが……。
「棚卸しシート」というものを活用したワークがあります。小学校、中学校を通じて、これまで頑張ってきたこと(勉強、クラブ活動、習いごと、家の手伝いなど)を、書き出しながら、自分を振り返るという作業です。同時に、「他人から、自分はどう見えるのか」をフィードバックしてもらいます。実はこれは、高校生だけじゃなく、大人になっても「生きる道を探る」際に意外と効果的です。
今や転職ブーム。ネットやマスコミでも転職の広告をよく目にします。また、定年後の転職(セカンドキャリア)に悩む人もいます。人生の岐路に立ったときには、誰しも自分の来し方を振り返りますが、一人で考えるだけでなく、友人や家族など、信頼できる人に「自分のこと」を聞いてみましょう。「何をすればいいか」「何をしたいのか」など、進むべき道を探るヒントになります。たとえば、ポイントは次の通りです。
- 私の長所をあげるとしたら?(人柄や性格など)
- 仕事における私の長所は?(仕事の成果や、進め方、周囲の人との関わり方など)
- 私に向いている「仕事」「趣味」は何だと思う?
- 私の「何が社会に役立つ」と思う?
- 私が「楽しそう」にしているのは、どんな時?
他者から見える自分は、自分で思う自分とは違って驚くこともありますが、二人以上の人が同じこと言ったら、それは間違いなく自分の「強み」と言えます。
「人生は己を知る旅」です。人生というキャリアに迷うときは、条件だけに流されず、まずは自分自身に目を向けてみましょう。