F&Aレポート

返事のマナー「一つ返事」or「二つ返事」?

返事のマナー「一つ返事」or「二つ返事」?

1.「一つ返事」と「二つ返事」
 9月に発表された「国語に関する世論調査(文化庁)」では、「快諾は”一つ返事”か”二つ返事”か」という質問に、46.4%の人が”一つ返事”と答えていました。”二つ返事”と答えたのは42.9%ですが、正しいのは”二つ返事”です。
 なぜ、多くの人が”一つ返事”と回答するのでしょう。これは「はいはい」と返事をすると、「返事は1回でいい!」というような躾をされたからでしょうか。
 確かに、日常での返事は1回がいいのですが、快諾を表す常套句になると「二つ返事」なのです。たとえば、「Aさんは、そうじ当番を二つ返事で引き受けてくれた」と言うように。”二つ返事”の言葉には、頼みにくいことをお願いしたときに、「はいはい」と気持ちよく引き受けてくれた様子が伺えます。

2.返事が先か、行動が先か
 「名前を呼ばれたら、まず返事」と、子供の頃に教わったと思います。しかし、大人になると、こんな簡単なことができなくなってしまうことがあります。
 たとえば、上司に呼ばれる、お客様に呼び止められる、会議で指名される。そんなときに、間髪入れず相手に聞こえるように「はい」という返事ができているでしょうか。
 「はい」という返事をしてから相手のところに走り寄るのと、返事をしないで無言で走り寄るのでは、ずいぶん印象が違います。また、すぐに走り寄るなどの行動に移せない状況でも、「はい」という返事があると相手は安心します。行動よりも返事が先です。
 会議で突然の指名を受けたときも、いきなり発言を始める前に、まずは「はい」という返事で受けてから、発言の内容に入る方が、感じがいいし、間の取り方としても上手い。
 いつでも、誰にでも気持ちのいい返事が出来る人は、それだけで性格の良さや、育ちの良さを感じさせることができます。相手の顔を見て「はい」と、一回で聞こえるように返事をする。簡単なことのようですが、できていないこともあるものです。「は」と「い」の二つの音でできた「心」を表す短い言葉。見直してみたいですね。