F&Aレポート

梅雨だからこその傘のマナー

梅雨だからこその傘のマナー

 江戸時代のマナーともいえる江戸しぐさに「傘かしげ」があります。細い道をすれ違う際に、お互い傘がぶつからないよう、傘を相手側ではない方に少し斜めに倒して歩く行為です。相手に対する思いやりだけでなく、狭い地域でお互い譲り合って気持ちよく暮らしていきたいという江戸庶民の知恵と生き方が感じられます。

 さて、現代ではどうでしょうか。「傘の水平持ち」で、駅の上り階段で、前の人が持っている傘の先が目に入りそうになって恐怖を感じたという話しがあります。傘は、非常に使い慣れた小物ですが、扱い方を誤ると凶器にもなります。傘マナーをチェックしてみましょう。

○ 傘は下に向けて開く
傘の先を上に向けて開くと、開いた傘が自分の顔をかすめたり、周囲の人に当たったりすることがあります。傘先を斜め下に向けて開きましょう。特に、ボタン式のワンタッチ傘は要注意です。

○ 傘を肩にかけてささない
傘を肩にかけて歩くと、水滴で服が濡れます。また後ろの人の視界もさえぎることになります。体の中心でまっすぐに立てて持ちましょう。

○傘をさしたら一列で歩く
 傘をさして、横に並ぶと道幅いっぱいになってしまいます。要注意です。

○傘を閉じるときは、上で少しすぼめて下で閉じる
さした状態のままで、少しすぼめてから下に向けて閉じます。開くときと同様、横に向けて閉じると、傘の先が人に向いてしまい危険です。

○ベルトを留める
 乗り物に乗る時などは、水滴が周囲の人にかからないようにベルトは留めます。混雑しているときは、カバーかビニール袋などに入れるとなお良いです。日本は、雨傘、日傘と、他国に比べて、傘は通年使うことの多い小物です。傘の扱いひとつにも、品性が表れることがあるので気をつけたいですね。