2024年も2月に入りました。能登半島地震は復興にはまだ時間がかかりそうです。過疎、高齢化が進む地域での災害は、愛媛県も他人事とは思えません。1日でも早い復興が望まれます。その2月と言えば、コロナになる少し前までは税制改正の季節でした。簡単に流れを説明すると、与党の税制改正の方針は「大綱」という形で12月中旬までに取りまとめられ、発表されます。その後年明けから開かれる通常国会で審議され、3月末には法案として成立、施行されることになります。
業界の話になりますが、以前は、大手税理士法人や出版社が、12月中旬に発表された大綱を読み取り、整理して、年明け2月初めあたりから、東京・大阪のような大都市圏で主に税理士向けの研修会を開催していました。私も確定申告が迫る中、がんばって毎年参加していました。しかし最近の研修は、発表とあまり時間を置かず、12月中にオンラインで開催されます。
この情報の入手について考えます。少し前まで情報の入手と言えば、新聞、テレビ、ラジオのマスメディアが中心でした。それが、インターネットの普及によりスマートフォン、タブレット、パソコンを利用し、ニュースサイト、SNSやブログなどを通じて、世界中の様々な情報を手許で瞬時に得ることができます。1週間サイクルで発行される週刊誌では、新鮮な情報を提供するという機能はなくなったと考えても良いでしょう。そこで、ネットだけでは得られない深掘りの情報を提供する媒体に特化しつつあるように思われます。週刊文春はそのような意味での典型かもしれません。
情報に関連する新しい課題は、膨大な情報の中で何を信じてよいか分からなくなること、また情報の中に加工された正確でない情報が含まれるということです。能登半島地震でも、X(旧Twitter)などを通じて、建物に閉じ込められているという嘘の救助要請や、嘘の義援金募集が行われていました。そして、その混沌とした状態と匿名性(本人の名前を告げないこと)を利用して、特定の人の誹謗中傷や攻撃的な発言を繰り返すことも見受けられます。Xのコメント欄は本当に荒れていると言われます。その結果、人の命に関わることもあるわけで、これはインターネットがもたらす深くて重い闇の世界です。もっとも、この問題については、最近になって刑事告訴が行われることも多くなり、少し解決の兆しも見られます。
生きていくためには情報は必要、しかし課題も多い現代社会です。そのためには、情報に正面から向き合う姿勢も大事だなと思った次第です。