まだ夏の空気が残る9月から秋が期待できる10月になりました。10月は英語でOctober。これはラテン語で「第8の」という意味のocto の語に由来しています。8番目なのになぜ10月なのかと言えば、先月書いたようにローマ歴は3月からスタートすることになっていたため、8番目の月、10月となるわけです。
夏から秋に季節が変わる中で感じるのは、気候の変動、地球の温暖化です。先月28日の愛媛新聞に、熱帯亜熱帯の海にいるキハダマグロが宇和海で獲れて八幡浜魚市場に水揚げされたという記事が出ていました。これに限らず、日本沿海の水温が高くなっていて、今まで富山県で獲れていたブリが北海道に上がるようになり、北海道で獲れていた鮭が獲れなくなってしまいました。農産物でも、北陸から北の地方で収穫される米やリンゴなどにも大きな影響が出ているようです。
温暖化による気象上の影響ですが、日本に吹く偏⻄風は、北極海の冷たい空気と熱帯の熱い空気がぶつかることで発生します。しかし北極では温暖化がとても激しく進んでおり、南の空気との温度差が少なくなり、その結果、風が弱くなったり、蛇行するのだそうです。その結果、日本では台風の動きが遅くなり、外側の空気が熱を持つことで暑い夏が生まれます。海面水温が高いのも、この偏⻄風の影響だそうです(AERAの記事を参考にしました)。
この温暖化問題ですが、突然発生したものではありません。学生時代にローマ・クラブから出た「成⻑の限界」という本の講義を受けたことがあります。1972年発刊のこの本の中でも温暖化のことが書かれています。この時点でも将来起きることが予測される問題についてかなり強く警鐘が鳴らされていました。その後、世界中の様々な機関からいろいろな提言が出されてきましたが、具体的な対策は取られないまま、少なくとも温暖化に対して効果的な対策は実行されないまま、現在に至っています。
では、私たちはどのようにすれば良いのか。北極の気温が急激に上がったとしても、日常のこと、少し気温高めでも四季はやってきて、米国のトランプ元大統領のように温暖化はフェイクニュースという意見もあります。
まず、より多くの人がこの現実を受け止めることでしょう。そして、すぐには目に見えないもの、科学的な見解の存在を認めることだと思います。自然科学に限らず、今の世界の風潮として、権威あるものを無条件に否定する空気があるように感じます。また議論することを避けようとする空気もあります。ここから変えていくことではないでしょうか。その上で、自分たちの生活を振り返ること。ポリ袋も政府からの方針ではなく自らの意識で使用しないことになれば、世界が変わっていくと思います。暑かった夏を振り返る前に、猛暑の背景にあるもの、人類の未来を考えてみてはいかがでしょうか。
温暖化に比べれば、インボイスは地球上では小さなテーマです。