「内祝い」に「お返し」という言葉は避けたい
「お祝いをいただいたのでお返しに…」と、内祝いをいただき少し違和感を覚えました。
「お返し」に間違いはないのですが、内祝いでは「お返し」という言葉を避けるのがマナーと言われています。
お祝いをいただいたから義務感で返す。いただいた金額の半額か3割程度、機械的に「返す」というニュアンスが強くなってしまうからです。
もともと内祝いは、「幸せのおすそ分け」という意味合いでした。自分自身や家族に良いことがあった時に、親しい人や近所の人に贈り物をする。そうすることで喜びや幸せが広がり、分かち合うことができるという考え方です。
現代では、お祝いをいただいたお返しを「内祝い」と呼ぶようになったので、どうしても「返す」という表現になりやすいのですが、直接口頭で挨拶をするときも、カードを書くときも注意したいものです。
「このたびは○○のお祝いを頂戴し、ありがとうございました。心ばかりの品をお贈りさせていただきます」
または「内祝いの品を送らせていただきます」などのメッセージと共に、状況にふさわしい水切り(熨斗)を選びます。
水引は地域によって異なることありますが、基本的に何度あっても良いことは蝶結び(入学、出産など)、何度もあっては困ることは結び切り(結婚、入院見舞いなど)です。
入学や卒業、栄転など、春は節目のシーズンです。内祝いは「喜びを分かち合う」という本来の意味を大切にしながら贈りたいものです。