F&Aレポート

「間違った」ことばづかいも正しくなる?

「間違った」ことばづかいも正しくなる?

 先日の5月18日は、518「こ(5)・と(0)・ば(8)」の語呂合わせで、「ことばの日」でした。「ことば」は生きものなので、時代とともに、人とともにどんどん変化していきます。そのため、今は「間違ったことばづかい」でも、多くの人が使っているうちに、いつの間にか市民権を得て「正しいことばづかい」になることも多分にあるのです。

 たとえば、旅立つことや。活動を始めるという意味の「発足(ほっそく)」。もともと『ほっそく』と言っていましたが、『はっそく』と読み間違える人が多かったため、今では『ほっそく』も『はっそく』も正しいとされています。

 また、「的を射た(まとをいた)答え」という風に使う「的を射る」も、「的を得た(まとをえた)」と表現する人が多くなり、今では「的を射た(射る)」「的を得た(得る)」、いずれも正しいとされています。

 同じ日本語であっても、源氏物語や枕草子などの古典を原文のままでは、すぐには理解できないというのも、「ことば」が変化している証拠といえます。また、おじいちゃんやおばあちゃん、さらに親の世代のことばづかいを「古い」と感じることがあるように、ことばの変化は、時とともに早くなっています。私たちが今普通に使っていることばが「古い」ことばになる、スピードも早いということです。

 先日のある経営者の話。「このまえ19歳の男性社員が、『送られてきたメールの添付資料が開きません』という電話を受けた時に、『オレの方では開くんですけどね』って言ったんですよ。『オレ』という言い方が気になって、すぐ調べて電話応対マニュアルを作りました!」と。苦笑しながら、ひょっとしたら「オレ」がビジネス用語としてOKになることもあるのかも?という思いが脳裏をよぎりました。

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