F&Aレポート

アフターコロナの働き方を考える~「セルフ・キャリアドック」のすすめ 1

アフターコロナの働き方を考える~「セルフ・キャリアドック」のすすめ 1

「セルフ・キャリアドック」とは、企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、面談とキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組みや、そのための企業内の「仕組み」のことです。

 職業能力開発促進法が2016年に改正され、企業は企業目的達成のために、必要な従業員の能力向上に責任を持ち、従業員のキャリア開発を支援することが義務付けられました。

 アフターコロナの働き方を考える中で、「セルフ・キャリアドック」の導入は、従業員の離職を防ぎ、モチベーションを高め、能力開発を支える機会となり、さらなる企業の発展を促進するといわれています。経済産業省が推奨する「セルフ・キャリドック」を2回にわたりご紹介します。

1、従来の人材育成と「セルフ・キャリアドック」のちがい

 従来の人材育成施策は企業の視点で、組織にとって必要なマインドやスキル、知識の獲得を目指すという観点から行われてきました。これに対して、セルフ・キャリアドックは、企業・組織の視点に加えて、従業員一人ひとりが主体性を発揮し、キャリア開発を実践することを重視・尊重する人材育成・ 支援を促進・実現する仕組みです。

 この仕組みでは、中長期的な視点で従業員一人ひとりが、自己のキャリアビジョンを描き、その達成のために職業生活の節目での自己点検や実践に活用する取り組みプロセスを提供することになります。

2、「セルフ・キャリアドック」の導入目的と効果